モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)
- 作者: ミヒャエル・エンデ,Michael Ende,大島かおり
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1976/09/24
- メディア: 単行本
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松玉*1「「時間どろぼう」 モモとビジネスマンの奇妙な対立について」https://matsudama.hatenablog.com/entry/time-daizi_1
『プレジデント』という雑誌の「2019年 時間革命」で、ミヒャエル・エンデの『モモ』の「時間どろぼう」とは違った意味で「時間ドロボー」という言葉が使われているのだという。勿論、「ビジネス」とか「労働」という領域においてはそうなのだろう。しかし、それは生活や社会の一部でしかない。「ビジネス」や労働という領域においては正しくて妥当である効率のロジックがオフィスや工場の壁を越えて、生活や社会の全域を覆ってしまったら、それは(デュルケームの謂う意味における)「アノミー」ということになるのだろう(Cf. 『自殺論』)*2。
- 作者: デュルケーム,宮島喬
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1985/09/10
- メディア: 文庫
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別の表現を使えば、合理性には目的合理性と価値合理性があって*4、目的合理性が全てを覆ってしまったら、私たちの世界からは〈意味〉というものが消え失せてしまう(究極的には〈生きる意味〉)。
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/02/03/095133
*2:See eg, https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070112/1168571361 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20100917/1284736710 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20121210/1355133747 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170104/1483506224 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180202/1517507424
*3:セックスの合目的性を強調したイマニュエル・カント先生が体外受精などの生殖技術を知ったら、どんな反応を示しただろうか。See https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/02/02/105759
*4:これについては、やはりマックス・ウェーバーの『社会学の基礎概念』を参照のこと。Also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20091026/1256574276 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20101125/1290694764 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170509/1494296736