閉じ込められて

よんばば*1「哀しくも美しい世界『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子著」https://hikikomoriobaba.hatenadiary.com/entry/2025/03/18/160227



小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』*2について。


屋上から降りられなくなった象のインディラ、家の隙間に挟まった少女のミイラ、バスから出られなくなったマスター。少年は「大きくなること、それは悲劇である」という箴言を胸に、十一歳の身体のまま成長を止めてしまう。そうしてマスターの残したチェス盤の下に潜んで、チェスを差すからくり人形をあやつるチェスプレーヤーとなる。
〈閉じ込められた〉者たちの物語。
以前、私は「大きい」と「小さい」ものの対立を見出していた;

小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』は小人のチェス・プレイヤー「リトル・アリョーヒン」の物語なのだが、その世界は小さい生き物と大きい生き物との対立に貫かれているようにも見える。小さいに属するのは主人公の「リトル・アリョーヒン」のほか、「壁と壁の隙間に挟まって出られなくなった少女」の「ミイラ」(p.21)、「ミイラ」の肩に乗っている「鳩」、さらには「老婆令嬢」であり、大きいに属しているのは例えば「リトル・アリョーヒン」にチェスを教えた「マスター」、それから大きくなりすぎてエレヴェーターに乗れなくなってデパートの屋上に生涯閉じ込められた象の「インディラ」だろう。
https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/01/04/101558