ドラマになっていた

「【ネタバレあり】小泉喜美子『弁護側の証人』(1963) は「映像化絶対不可能」との宣伝文句だが、1980年にNHKのドラマ『冬の祝婚歌』で映像化されている」https://kj-books-and-music.hatenablog.com/entry/2023/04/30/131236


小泉喜美子の代表作『弁護側の証人』が1980年にNHKでドラマ化されていたのだという。知らなかった! 実は私がこの小説を読んだのは1980年頃だったのだ。本当にドラマのことを知らなかったのか、それとも知っていてもドラマについての記憶だけが飛んでいるだけなのか、不確かになってきた。因みに、〈裁判物〉ということだと、大岡昇平の『事件』*1NHKでドラマ化されたのはその前年の1979年じゃなかったか?

それより前のことだと思うけれど、小泉喜美子というと、過去の名作ミステリー作品を紹介するエッセイがお気に入りだった。ただ、何処かの新聞か雑誌に連載されていたものだと思うのだけど、誌(紙)名が思い出せない。その趣旨というのは社会派推理小説の登場によってオワコンとされてしまった古典的探偵小説を断乎として肯定するという感じだだったか。小泉の死後に、高木彬光の『死神の座』を角川文庫で読んだときに*2、そのようなノリの小泉による解説を読んで、妙に嬉しく思ったという記憶がある。