分類できない

アイザイア・バーリン*1「ジョルジュ・ソレル」(田中治男訳)(in 『反啓蒙思想 他二篇』、pp.203-287)から。


ソレル*2は今日なお変則的な人間類型に属するとみられている。一九世紀の他の思想家や予言者たちは、それぞれに相応しいレッテルをつけて、間違いなく分類されてきた。ミル、カーライル、コント、ダーウィンドストエフスキー、ワグナー、ニーチェ、さらにマルクスも含めて、これらの人々の理論、影響、人格などは、思想史の博物館のそれぞれの棚の上に、間違いなく配置されている。ソレルは、生前においてもそうであったのだが、今なお分類されないままおかれている。そして、右翼と左翼のいずれからも、自分たちの側の人間だと主張され、また反対にそうでないといって拒否されているのである。(後略)(p.204)