CSF、基礎研、その他

 

 やはり、頭が混乱していたよう。http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050520に、htmlタグのことを云々していたのは、全て間違い。「"a href"というタグがそもそも無効だった」なんてことは全然なくて、たんに「"」が1つ抜けていたという、何ともゴダール的結末(我ながら???な比喩ではあるが、分からないという人には分かって貰おうとは思わない)。




 5月21日は、昼間は用事があったので、CFSには間に合わず、結局飲み会に合流することに。江古田の「おしどり」(店名は平仮名ではなく、変な漢字が宛てられていた筈ですが、忘れた)。実は、来月、CFSで報告することになっているのだが、雑談するうちに、こんな感じでやってもいいんじゃないという方向性みたいなものが自ずと見えてきたのは不思議といえば、不思議。さらに何人の人は、西池袋のロック・バー「レノン」に流れたようだが、私はプログレッシヴ゛・ロックの誘惑に抗しつつ、家路を急ぐ。帰宅して、風呂に入って、メイルをチェックし、スパムを捨てているうちに、頭痛に襲われ、考えることも眠ることもできない状態に陥り、数時間後、やはりバファリンはありがたいなという感を抱きつつ、目覚める。




 4月の末から5月の初めにかけて、上海にいたのだけれど、上述の飲み会の雑談の中で、上海のスーパーやコンビニで「アサヒ・ビール」を見かけなかったことを思い出した。今回の〈反日デモ〉に、「アサヒ・ビール」が重大な役割を(結果的に)果たしてしまったことは知られていることだが(廣島正「中国の反日デモは日本の民衆に何を求めているのか」『情況』6月号に言及あり)、コンビニに「スーパー・ドライ」がなかったことは、その効果なのか、それともたんに、青島や麒麟サントリー(三得利)やバドワイザー百威)との競争に勝てないだけなのか。




 21日は、上野修スピノザの世界』(講談社現代新書)とスチュアート・ダイベック『シカゴ育ち』(白水社)を読了。
 

 先ず後者は、以前故須賀敦子さんが絶賛していた短編小説集。須賀さんの絶賛はずっと心に引っかかっていた。特に、「冬のショパン」は最高。ニューヨークの大学に進学して、妊娠して、シカゴの実家に帰ってきたマーシー、「僕」の祖父で放浪癖のある「ジャ=ジャ」といった謎めいたキャラは。ただ、この本は、シカゴ(特にその中の東欧系移民のコミュニティ)という本の外のテクストとインターテクスチュアリティを紡げる人なら、もっと楽しく読めるのではないか。残念ながら、私にはそんな能力はないが。


 前者については、数か月前から、アレントのいう「労働」って、スピノザのいう「コナートゥス」と関係があるんじゃないかという思いつきがあったのだが、上野さんの本を読んだのも、そういう思いつきと関係があるかも。因みに、『人間の条件』の「労働」の章にはスピノザへの言及はない*1。この本については後日、できれば抜き書きなどをしてみたい。


 話を逸らすと、今村仁司マルクス入門』(ちくま新書)で強調されているのは、スピノチストではなくヘーゲリアンとしてのマルクス。今村本の2章・3章を読むと、マルクスの、同じように「ギリシア」に準拠していながら、アレントとは(多分絶対的に)相容れない側面がクリアになる。で、それは多分、全体主義をも基礎づけてしまうようなマルクスの最も危険な側面でもある。




 5月22日は、莫邦富『日中はなぜわかり合えないのか』(平凡社新書)を読み始める。





 さて、既に大谷栄一氏のブログでも紹介されているのだけど、次の土曜日は、「社会科学基礎論研究会」。私も司会を務めさせていただきます;





1.日時:5月28日(土)13:00〜18:00

2.会場:大正大学巣鴨校舎) 10号館4階 1041教室
 *教室は変更の可能性があります。当日、正門左手の2号館
  入り口に教室案内を掲示しますので、ご確認ください。
 アクセス案内
  http://www.taisho-univ.net/nyugaku/sugamo_map.html
 構内案内図
  http://www.tais.ac.jp/map/

3.プログラム
【研究発表】
(1) 寺田喜朗(東洋大学大学院)
「ポリヴァレント・アイデンティティの解釈を巡って
  ――ライフヒストリーの信頼性に対する一試論」
  司会:井腰圭介(帝京科学大学
(2) 古谷公彦((財)政治経済研究所)
「社会構築主義の論理と間主観性の問題」
  司会:井出裕久(大正大学
(3) 矢田部圭介(武蔵大学
「親密性と汝志向
  ――シュッツの〈形式的な概念〉の示唆すること」
  司会:角田幹夫
参加費:300円(学生200円)

*報告概要および各報告に関してあらかじめお読みいただきたい文
献(必読文献)を下記研究会ウェブサイトに掲載しています。ぜ
ひ、ご覧ください。
*当日は、当研究会機関誌『年報 社会科学基礎論研究』(ハーベ
スト社)最新号(第4号:特集 現代社会と〈宗教〉の鏡)のほ
か、12月の合評会書評対象書、ハーベスト社発行の書籍などを特
価で頒布する予定です。
*研究会終了後、懇親会を行ないます。ご予定にお含めください。

事務局
〒170-8470 豊島区西巣鴨3−20−1
大正大学人間学部社会学研究室(井出)気付
e-mail h_ide@mail.tais.ac.jp
世話人 井出裕久・佐野正彦・張江洋直
HP:http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssst/index.html





 なお、既に、報告要旨がアップされています;


http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssst/docs/2005/11terada.html

http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssst/docs/2005/12furuya.html

http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssst/docs/2005/13yatabe.html

 

*1:ところで、『人間の条件』をめくっていると、ベルクソンへの批判を発見。多分、これは「暴力について」におけるソレルへの批判的言及と関係がある