「心」の行方

清田隆之「話題の本」『毎日新聞』2021年12月25日


東畑開人*1『心はどこへ消えた?』について。


心はどこから消えたのか。社会からだと私は読んだ。より詳しく言えば、社会から消えたのは心の居場所だ。この社会は心にとって居るのがつらい場所になってしまった。それでも心は存在する。廊下に、裏山に、午前4時に、仮病にも、治らない癖にも、退所したジャニーズのタレントにも心は宿る。(後略)
東畑によれば、「心とは「私」の中の鍵のかかる個室のことなのだ。周囲に脅かされることなく、そこに安心して一人でいられるときに、私たちは初めて自分を振り返ることができる」。
この定義を読んで、思ったのは、アレントLife of the Mind*2を再読しなくちゃならない! ということだ。