原田隆之*1「精神医学を人格攻撃の道具にするな 看過できない「専門家」による小室さんへの人格攻撃」https://news.yahoo.co.jp/byline/haradatakayuki/20211102-00265891
精神科医の片田珠美*2が執拗に小室圭氏*3の人格を攻撃しているのだという。それは小室氏を「精神病質人格」の持ち主だとするもの。
原田氏はその問題点を4つに纏めて指摘している;
片田氏の「分析」は、事実やデータを集めて「診断」したというよりは、まず自分があてはめたい「診断」があって、それに沿うような形で小室さんの言動を大きく歪曲して説明しているところである。つまり、「分析」自体も正しくない荒唐無稽なものである。
他者を執拗にレイベリングするそのpathology*4が問われなければならないのだろうけど、その答えは精神病理学というより解釈学によって見出されるかも知れない。つまり、読者大衆が保持していると想像した期待の地平を忖度しているという可能性。
第1に、医師が直接会ったこともない相手に対し、情報を都合よく切り取りながら「診断」してみせることは、医師の倫理に反している。それを受け取った一般の人々は、医師の言うことだから正しいのだろうと思い込み、いわば「人格攻撃」に専門家のお墨付きを与えたようなものとなってしまう。第2に、診断というものは、そのような症状を有している人々を援助し、治療するために用いられるべきものであって、人格攻撃や誹謗中傷のために用いるべきものではない。ましてや、会ったこともない相手に対して「改善不可能」とまで言い切るのは論外である。
第3に、これらの「診断」のどこにも科学的根拠がなく、本人の主観や印象に基づくものでしかない。片田氏が形ばかりの参考文献として挙げているのは、いずれも非常に古い文献であり、たとえば精神病質の定義となったシュナイダーの論文は1954年のもので、もはや過去の遺物である。シュナイダーは精神医学史に残る巨人であり、その業績は歴史的な偉業である。しかしその後、その定義は洗練され、大きく変遷している。
(略)
第4に、相手が社会を震撼させた犯罪者であったり、問題を起こした権力者であったりするなど、その人格を分析することに何らかの社会的意義や利益がある場合ならともかく、一人の私人を攻撃的な「専門用語」を用いて「分析」してみせたところで、それには何の価値もないばかりか、明白な害がある。
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/08/104109
*2:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160128/1453958355 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20161128/1480333869 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170228/1488253654 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20171104/1509722687 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180510/1525924825 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180602/1527896743 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/06/08/083238
*3:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/22/140650 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/10/02/081943 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/10/05/144418
*4:病理の学である以前にパッションの学である。