座間の事件について今更ながらのメモ。
『朝日新聞』の記事;
アパートに9人分の頭部 死体遺棄容疑で男逮捕 神奈川
2017年10月31日10時45分
神奈川県座間市緑ケ丘6丁目のアパート一室で、切断された2人の頭部が見つかった事件で、警視庁は31日、新たに7人の頭部を発見した。捜査関係者が明らかにした。同庁は、このうち1人の遺体を遺棄したとして、この部屋に住む白石隆浩容疑者(27)を死体遺棄の疑いで逮捕した。
捜査1課によると、白石容疑者は今月下旬、自宅の玄関に置いたクーラーボックス内に性別不明の頭部を放置した疑いが持たれている。室内からは他にも大型の箱が複数あり、同課が中を確認したところ、他にも切断された遺体が見つかった。
同課は、このうちの1人は行方不明になっている東京都八王子市の女性(23)の可能性があるとみて、身元の確認を進めている。女性は21日から家族と連絡が取れなくなり、24日に女性の兄が「妹と連絡がとれない」と高尾署に届け出た。同署などが女性の行方を捜していたところ、女性とインターネットの自殺サイトでやりとりをしていた白石容疑者が浮上。30日夕、白石容疑者の部屋で遺体の一部を見つけた。
■事件の経緯
<21日午後6時半ごろ>
女性が自宅で職場の職員と面会
<23日>
JR八王子駅と小田急線相武台前駅の防犯カメラに女性が白石容疑者とみられる男と一緒にいる姿が映る
<24日>
女性の兄が警視庁高尾署に行方不明者届を出す
<30日午後4時半ごろ>
警視庁が神奈川県座間市の白石容疑者のアパートで2人分の頭部を発見
<31日午前>
白石容疑者のアパートで計9人分の遺体が見つかったことが明らかに。警視庁が白石容疑者を逮捕
http://www.asahi.com/articles/ASKB02PCQKB0UTIL003.html
また、江原啓之氏*1のコメントを伝える『スポーツ報知』の記事;
「2カ月前、入居後から強烈な異臭」 座間9遺体事件
2017年10月31日11時32分
9人分の遺体が見つかったアパートは木造2階建てで、全12室ある。住人の40代男性によると、逮捕された白石隆浩容疑者(27)が引っ越してきたのは2カ月ほど前で、その頃から白石容疑者が住む2階の一室の周辺で異臭がしていたという。「かいだことがないような鼻をつく強い臭い。換気扇が廊下側にあるので、部屋の前を通るたびに臭いがきつくなっていったと感じた」と話す。
白石容疑者の部屋の玄関前にはクーラーボックスが置いてあることもあったが、中身はわからなかったという。
白石容疑者とは夜に顔を合わすこともあったが、あいさつを交わす程度の付き合いだったといい、「深夜にゴミ出しをしているのか、階段をおりる音とゴミ袋の重たそうな音が響いている時もあった。こんな事件が起こるとは思わなかったので怖い」と口にした。
別の住人の男性によると、このアパートの部屋はほとんどが6畳一間で、玄関を入るとユニットバスやキッチンがあるという。「(容疑者については)わからないけれど、気持ちのいいものではない」と話した。
現場のアパートの前を毎日買い物で通るという主婦(23)は、「いつも見ているアパートがニュースで映し出されてぞっとした」。9人の遺体が見つかったことを知ると、「身近な場所でこんなことが起きるなんて。外に出るのもためらうくらい怖い」とこわばった表情を見せた。
このアパートの隣に住む男性(70)は、テレビのニュースで9人の遺体が見つかったことを知ったといい、「びっくりした。そんなことが近くで起きていたとは」と話した。
http://www.asahi.com/articles/ASKB02Q9PKB0UTIL007.html
また、
江原啓之、白石容疑者に「この人は何かの理由で一度、自分の人生を…」
11/1(水) 17:48配信 スポーツ報知
タレントの江原啓之(52)が1日放送のTOKYO MX「5時に夢中!」(月〜金曜・後5時)に出演。10月30日に神奈川県座間市のアパートから9人の切断された頭部が発見された事件について、独自の意見を述べた。
江原は、この事件で逮捕された職業不詳・白石隆浩容疑者(27)について、「人を殺したいという感覚、衝動は昔から人間の中にある」と話した上で「一度、自分を殺されている人間は人を殺すんです」と続けた。
「この人は何かの理由で一度、自分の人生を殺されているはず。今の時代は肉体だけでなく、人が心を殺し合っている時代ですから」と江原。
今回の事件で、警視庁捜査1課は10月31日、このアパートから新たに7人の遺体を確認し、死体遺棄容疑でこの部屋に住む白石容疑者を逮捕。東京都八王子市の23歳の女性が10月下旬から行方不明になり、警視庁が捜査していた。白石容疑者は殺害についても認めており「8月22日に引っ越してきてから9人を殺した」と供述している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171101-00000149-sph-soci
金城珠代「白石隆浩容疑者は罪悪感なしの「快楽殺人者」 精神科医が語る戦慄の動機とは?」https://dot.asahi.com/dot/2017110100106.html
片田珠美さん*2へのインタヴュー。
曰く、
9人を次々と殺害したという点では「快楽殺人」と見ることもできます。自分が他人を支配して、主人になったという感覚は、劣等感や自分が不完全であるという「不全感」をひっくり返す、強烈な快感を伴ったはずです。一人目の殺害でそれを味わったことで、止められなくなってしまった、殺人に取りつかれたという状態だったと考えられます。
自尊欲求が強いということは、劣等感や不全感が強い人物像が見えてきます。それには生育歴も関係してきますが、今年6月に有罪判決を受けたことが大きかったのではないかと考えられます。売春の斡旋で茨城県警に逮捕され執行猶予判決を受けた後、父親に「生きていても意味がない」と話したと報じられています。実際に飛び降り自殺を試みたという報道もありました。つまり、彼がこの判決を破滅的な喪失と受け止めた可能性は非常に高い。おそらく彼も自殺願望があり、できるだけ多くの人を巻き込んで死んでやろうと考えたのでしょう。そういう意味では拡大自殺と見ることもできると思います。
もちろん前科も今回の事件も本人が犯した罪ですが、その裏にある家庭での生育歴や教育環境のほか、長い目で見れば、一度脱落してしまうと排除され、敗者復活できない社会システムを変えていく必要があると考えます。
*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070323/1174628115 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070704/1183564169 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071031/1193848667 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071230/1198987944
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160128/1453958355 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170228/1488253654