- 作者: 三浦佑之
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2019/11/07
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思想史家の丸山眞男は、世界の創成神話には、「つくる」「うむ」「なる」の三つの語り方があると指摘しています(「歴史意識の『古層』」)*2。高天の原に最初に現れた三神*3や泥のなかから現れたウマシアシカビヒコヂ*4は、「なる(成る)」神の典型で、丸山は、それこそが日本神話の古層だと考えました。一方、イザナキとイザナミとによる島や大地や神々の誕生は、まさに「うむ(産む)」神話になっています。男女の交わりをそのまま神の世界に移したもので、即物的な発想です。それに対して、『旧約聖書』創世記にあるような、「つくる(造る)」という発想は日本神話には見当たりません。絶対紳という観念が存在しないことにかかわるのでしょう*5。(p.29)
- 作者: 丸山眞男
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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- 作者: 関根正雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160821/1471803952 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180510/1525912389 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/03/15/004848
*2:丸山の「古層」論にはhttps://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070411/1176262833 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110715/1310699482で言及している。
*3:アメノミナカヌシ、タカミムスヒ、カムムスヒ。 See p.15、26
*4:「宇摩志阿斯訶備比古遅」。See pp.27-28
*5:「神」が世界(宇宙)に内在しているのか、それとも超越しているのかということ。