もう少しで四国志

先日、東京国立博物館*1の『三国志』展*2を観た。フィクション(『三国志演義』)からリアル(『三国志』)へという展示の構成は興味深かった。この展覧会の目玉は(中国でも未公開の)「曹操高墓」*3関係の文物なのだろう。しかし、私が注目したのは安徽省毫州市*4曹操の先祖の墓から出土した「玉豚」という小さな玉器。死後の世界でもちゃんと豚肉が食べられるように死者に握らせたものだという。私だったら、「玉豚」よりも玉牛の方がいいと思うけれど、中国人(中国文化)と豚との密接な関係が(少なくとも)漢代にまで遡ることができるという物的証拠。
あと、興味深かったのは「三国志」と言いつつ、「第四極」としての遼東の公孫氏*5についてかなりのスペースを割いて展示を行っていたこと。また、呉の造船技術や航海技術は侮ることができないなと思った。