曹操利権?

承前*1

上海で発行されている日本語情報誌『チャモア』2010年2月号から。


(前略)ある学者によると、観光開発後の年間利益は4億2,000万元に上るとのことで、地元安陽市では“三国熱”の経済効果に期待が高まっている。河南省政府は文化業務会議にて曹操高陵の地への遺跡公園建設プロジェクトに言及しており、村の国道が整備される計画が浮上するなど、市民からの喜びの声が挙がっている。
一方、第2の安陽を目指せとばかりに、四川省彭山県では県政府自ら名乗りを上げ、「次は三国志の英雄“劉備”の墓を探せ!」と県民を総動員し、見込みをつけた場所“皇墳”の徹底調査を実施。果ては家庭にある米びつでも何でもいいので、“劉備”に関連のありそうな古物を提供するように求めている。
安陽市には、「殷の遺跡」がある。歴史的価値からし西安の「兵馬俑遺跡」と同等なはずなのだが、集客面では今ひとつ。2億元を投入して保護改善したにも関わらず、毎年の収入は僅か1,000万元。投資回収は気の遠い話だ。
盗難に次ぐ盗難の末、発見された「曹操高陵」。旅行産業の金の山となるのか、第2の殷墟の道を辿るのか、気になるところだ。(p.17)