歴民博リニューアル

先月(平成)の後半、佐倉の国立歴史民俗博物館*1に行ってきた。
歴民博*2に行こうと思い立ったのは、3月に「第一展示室」(「先史・古代」)が「リニューアル」されたのを知ったからでもある*3。先ず以前は「原始・古代」であったが、今回は学術的にはより正しい「先史」というタイトルが採用されている*4。特に感心したのは、「最終氷期」に生きた「旧石器時代」についての展示。高緯度地方の狩猟採集民の民族学の成果も援用した旧石器人の狩猟生活、料理、服装などの生活文化の復元は生々しい。縄文時代の精神文化の再現、また「特別の人」*5の分化の示唆は、土器や遺跡といった物質文化から、ここまで行けるのか! と思って、興味深かった。縄文に関しても、地域間のヴァラエティが強調されていたし、弥生に関しても、同時期の「弥生」以外の文化、(現代の)奄美・沖縄(琉球)や北海道の文化への目配りも怠っていない、という古代の多文化性への配慮も興味深かった。さらに面白かったのは「正倉院文書」についての展示*6。戸籍における人民一人一人の個人情報への執着とか。
息子は、「民俗」における「河童」、特に江戸時代の凶暴な河童にけっこうショックを受けていたようだけど。