吾身世に古田中眺めせし間に

昨日、古田武彦に言及したのだった*1
その古田氏が2015年に逝去していたことを、その後に知った。
クリスチャントゥデイ』の記事;


『「邪馬台国」はなかった』の古田武彦氏死去 89歳 葬儀はなし
2015年10月16日13時09分



著書『「邪馬台国」はなかった』などで知られる古代史研究家の古田武彦(ふるた・たけひこ)氏が14日、京都市内の病院で亡くなった。89歳。本人の意向で葬儀は行われず、近親者のみでお別れ会を開くという。

古田武彦氏は、専門は親鸞などの中世思想史だが、『魏志倭人伝』にある国の名を「邪馬台国」ではなく、原文通りの「邪馬壹(いち)国」が正しい表記だなどと指摘。九州王朝説をはじめ、日本列島各地に王権が存在したとする「多元的古代史観」などを提唱した。古田武彦氏の邪馬台国をめぐる仮説などは、他分野の研究者や一般読者の間には賛同者・支持者も多く、「古田史学と古代史を研究する会」なども存在する。

1926(大正15)年、福島県生まれ。英語教師であった父の転勤により、広島で育つ。1945年、東北帝国大学(現東北大学)法文学部入学。大学卒業後は高校の教員として、長野県松本市や神戸市、京都市の高校で国語、社会を教えた。84〜96年、昭和薬科大学教授。史学会、日本思想史学会、学士会会員。

主な著書に、『「邪馬台国」はなかった』『失われた九州王朝』『盗まれた神話』など。
https://www.christiantoday.co.jp/articles/17312/20151016/yamataikoku-furuta-takehiko-shikyo.htm

支持者(or信者)による追悼としては、例えば、


室伏志畔「古田武彦追悼」http://www.alter-magazine.jp/index.php?%E5%8F%A4%E7%94%B0%E6%AD%A6%E5%BD%A6%E8%BF%BD%E6%82%BC
夢幻亭「古代史のイノベータ―・古田武彦http://mugentoyugen.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-49ac.html


支持者によるリソースとして、


石田泉城『古田史学の素晴らしさ』http://www.geocities.jp/pujo106blue/


反古田の人によるリソースとして、


川村明「九州王朝説批判」http://home.p07.itscom.net/strmdrf/kyusyu.htm


を、取り敢えずマークしておく*2
上掲の『クリスチャントゥデイ』の記事でも、支持者たちの追悼文でも触れられていないが、古田氏の歴史家としての、或いは知識人としての権威を決定的に失墜させたのは、『東日流外三郡誌*3を巡る騒動だったと思う。まあ、『東日流外三郡誌』を触媒にすると、現代日本におけるトンデモ知のネットワークがかなりくっきりと浮かび上がってくるように思うのだけど、今は深入りしない。『東日流外三郡誌』については、


原田実*4「『東日流外三郡誌』は古代東北の真の歴史を伝える古文書か?」http://www.asios.org/reports/tsugaru


をマークしておく。このテクストに「古田武彦」は言及されていないが、原田氏は元古田武彦の助手。
さて、昨年11月には、右翼思想の重鎮で古代史家の田中卓氏が他界していた。
中外日報』の記事;


田中卓(たかし)氏(元皇學館大学長)
2018年11月28日付 中外日報(訃報)


田中卓(たかし)氏(元皇學館大学長) 24日死去。94歳。葬儀は28日午後1時から、三重県伊勢市岡本1-17-9の祖霊社で。喪主は妻の華子さん。

1923年生まれ。東京帝国大文学部国史学科卒。文学博士。大阪社会事業短期大教授、皇學館大教授を経て80~88年まで学長。94年、名誉教授。専門は日本古代史で、伊勢神宮の成立史や『住吉大社神代記』の研究で知られた。
http://www.chugainippoh.co.jp/religion/obituaries/20181128-001.html

See also


小林よしのり*5田中卓先生の逝去が実に残念」https://yoshinori-kobayashi.com/17003/
高森明勅*6「古代史学の泰斗、田中卓先生ご逝去」https://www.gosen-dojo.com/blog/20231/

*1:https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/01/22/112304

*2:この川村氏は元々古田門下だった人で、後に離脱。古田信者からは背教者として扱われているようだ。

*3:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20091026/1256526561 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20161222/1482425853

*4:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141015/1413381594 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150713/1436798077 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160124/1453615688 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160409/1460163099

*5:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060124/1138069211 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061021/1161440194 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070305/1173063168 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070427/1177703588 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080130/1201705768 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090306/1236305383 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090602/1243971742 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091004/1254657572 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110901/1314899481 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120503/1336029509 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130226/1361847535 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131004/1380908298 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140824/1408898286 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150628/1435499672 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160107/1452162478 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180527/1527439653 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180625/1529891466 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180725/1532473014 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20181111/1541866714

*6:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160514/1463248619