Ireland

内田樹氏曰く、


ヨーロッパにおける辺境といったらどこでしょうね、という問いから、「アイルランド」じゃないかなという話になる。
私はアイルランドについては何も知らないけれど、ローマ帝国によるヨーロッパの「開化」とキリスト教化によって周辺に押し出された「原ヨーロッパ文化」の残滓が流れ流れて最終的にアイルランドには蓄積されているような気がする。
18世紀からアイルランド系移民が大量にアメリカに移住するが、イギリス系アメリカ人からはきびしい差別を受けた(この「いちばんあとからアメリカ社会に参入してきたものに対する差別」は、その後「イタリア系移民に対する差別」「ユダヤ系移民に対する差別」「アジア系移民に対する差別」「黒人差別」と続く)。
私たち日本人から見て、アイルランド人の屈託のありようは「辺境民同士」的な何かを感じる。
スコット・フィッツジェラルドレイモンド・チャンドラーアイルランド系と知ると、「なるほど」という気がする。
どこがどう「なるほど」であるのかと改めて訊かれると答えられないけれど。
http://blog.tatsuru.com/2009/12/05_0940.php
これはちょっとというか、かなりアレ。故鈴木芳樹氏が

ある友人に聞いたのだが、少なからぬ数のアイルランド人は韓国人にシンパシーを抱いており、サッカーのワールドカップともなれば、韓国を応援するひともいるらしい。たしかにこのふたつの国のたどった歴史はよく似ている。文字も文化も大陸からかっぱらってきたくせに横柄な態度を取っている島国が南西部に横たわっており、その国の恣意的な判断で土地を奪われ、人命を奪われ、言語を奪われかけ、宗教を奪われかけたという共通の歴史がある。

ところでオレは不用意にもU2をブリティッシュ・ロック、ジェイムズ・ジョイスをイギリス文学に分類してしまう。そのたびにおのが不明を恥じるばかりである。
http://d.hatena.ne.jp/yskszk/20071202#p2

と書いているのを対置しておこう。