2012-01-01から1年間の記事一覧

共済会或いは美生会

どの国の、どの言語のテクストにせよ、例えばフリーメイソン*1関係の語彙が出てきたら、そのトンデモ度を警戒し、眉に唾をつける準備をしなければならない。また私たちは、フリーメイソンの陰謀を云々する人が同時に「小沢信者」や「反米保守」である確率が…

複雑なところ(趙楚)

「莫言の受賞は中国人にとっては複雑なところが相当あるようだ」*1。 例えば趙楚氏*2の呟きから; 莫言获得诺奖,我对其个人表示祝贺。这是中国以外的一部分人对他个人文学创作努力和成就的肯定,除此并无其他意义。我同时坚持认为,假如托马斯曼*3担任第三…

莫言

承前*1ノーベル文学賞は中国の莫言に。事前のブックメーカー筋の予想では村上春樹の方が有利だったのだが。 NYTの速報; October 11, 2012 Mo Yan Wins Nobel Literature Prize By ALAN COWELLPARIS ― The Swedish Academy announced on Thursday that it ha…

「無為」(メモ)

儒家、法家、道家それぞれにとっての「無為」について呉鉤氏*1曰く、 道、法、儒三家都讲无为,但境界不同。简单地说,法家的无为境界是实现国家机器的流水线自动运转;道家的无为无境界是无政府主义的任民自化;儒家的无为是承认政府存在的必要,但将政府权…

『朝日』の記事

共同声明「譲中日関係回帰理性」*1を紹介する『朝日』の記事;「中日関係、理性取り戻せ」 中国の知識人らネット署名朝日新聞デジタル 10月8日(月)21時27分配信 尖閣諸島を巡る日中の対立を受け、中国の知識人が「中日関係を理性的なものに戻せ」と訴える署…

Eric Hobsbawm

WILLIAM GRIMES “Eric J. Hobsbawm, Marxist Historian, Dies at 95” http://www.nytimes.com/2012/10/02/arts/eric-hobsbawm-british-historian-dies-at-95.html Martin Kettle and Dorothy Wedderburn “Eric Hobsbawm obituary: Historian in the Marxist …

閻連科の応答

Yan Lianke "Words to Soothe Asia’s Tensions" http://www.nytimes.com/2012/10/06/opinion/yan-lianke-words-to-soothe-asias-tensions.html 村上春樹「魂の行き来する道筋」*1に対する中国の作家、閻連科の応答。元々International Herald Tribuneに掲載…

国民番号1番

http://weibo.com/1956025337/yFmhPdy02 蒋介石の「中華民国国民身分証」を見つける。蒋介石はやはり国民番号が1番だったんだ。民国54年というと1960年代だが、その頃の大陸の毛沢東は「身分証」を持っていたのだろうか。持っていたとしたら、番号は? 蒋介…

2つの潮流

承前*1尖閣列島(釣魚島)を巡る中国の2つの潮流。 先ずは「毛左」についての、軍事アナリスト趙楚氏の呟き; 乌有之乡之类新文革组织,外部策略与红卫兵、武斗队如出一辙,内部机构神秘、鬼祟如同基地组织*2,915之日,50余城同时发难,声势过于一月夺权,…

写真家としてのコジェーヴ

朱暁佳、孟雨蒙「風景照也有世界観 哲学家亜歴山大・科耶夫的摂影作品」http://www.infzm.com/content/81471 アレクサンドル・コジェーヴ*1が1959年から1968年に白耳義のブリュッセルで死去するまでに旅先で撮り続けた写真は2010年に発見され、既に韓国の光…

上海へ

承前*1成田空港で本を3冊。平野啓一郎『私とは何か 「個人」から「分人」へ』講談社現代新書、2012 私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)作者: 平野啓一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/09/14メディア: 新書購入: 19人 クリック: 29…

午後

承前*1午後の飛行機で上海に帰る。天気は今平静だけど、颱風の方はどうなっているのか。イ・ヨンスク『「国語」という思想』を読了。「国語」という思想――近代日本の言語認識 (岩波現代文庫)作者: イ・ヨンスク出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/02/17…

「保釣」と民主化(メモ)

「そもそも「保釣」の本場は香港や台湾だった」と書いたのだが*1、 慧心「台湾七十年代保釣運動対当今的啓示」http://www.21ccom.net/plus/view.php?aid=21296 は1970年代初頭の台湾における「保釣運動」を台湾民主化の先駆として評価するもの。 *1:http://d…

「東北」の構築(メモ)

村と土地の社会史―若干の事例による通時的考察 (人間科学叢書 14)作者: 岩本由輝出版社/メーカー: 刀水書房発売日: 1989/04メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (1件) を見る岩本由輝「戦前における農政と村落」in 『村と土地の社会史 若干…

都市/農村(メモ)

極限の論理 (1970年)作者: 酒井角三郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1970メディア: ?購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る酒井角三郎「沈黙の論理と暴力の意味――戦後民主主義の啓蒙主義的体質――」*1in 『極限の論理』筑摩書房、197…

Abe Effect?

「レジューム」を鍵言葉としたアクセスが増えているようだ。これって安倍晋三の自民党総裁復活と関係があるのか。 See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070906/1189082768 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070911/1189534747 http://d.hatena.ne.jp…

「魂の行き来する道筋」(by 村上春樹)

承前*1村上春樹「魂の行き来する道筋」『朝日新聞』2012年9月28日*2 尖閣問題の「過熱化」を巡る村上春樹のテクスト。 少し抜き書きしてみる。 先ずタイトルに関わること; 文化の交換は「我々はたとえ話す言葉が違っても、基本的には感情や感動を共有しあ…

『あほらし屋の鐘が鳴る』など

近所のブックオフに行ったが、はっきり言って不作で、買ったのは3冊のみ。斎藤美奈子『あほらし屋の鐘が鳴る』文春文庫、2006あほらし屋の鐘が鳴る (文春文庫)作者: 斎藤美奈子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/03/10メディア: 文庫 クリック: 11回こ…

「機能性」と「自働性」(メモ)

意識としてのアジア (1985年)作者: 松岡祥男出版社/メーカー: 深夜叢書社発売日: 1985/11メディア: ? クリック: 3回この商品を含むブログを見る松岡祥男「遠い迂回路―部落解放運動の一断面―」『意識としてのアジア』深夜叢書社、pp.153-160 少し引用。 わた…

「密航」の海

承前*1沖縄から台湾、さらには中国大陸にかけての海というのは、今から20年前くらい、つまり1990年代前半あたりでは、「密航」と「密輸」の海だったということを、森田靖郎『密航者 狙われる列島』(1994)という本を捲りながら、思い出した。この森田靖郎と…

『育児の百科』をもう1冊

日本に帰ってきたものの、ほとんど自宅と病院の往復。おまけに天気も不安定である。そんな中で時間を見つけて、子どものもの(例えば薬とかベビー・フード用のソースとか)を買いに行き、序でに本を買う。今野真二『百年前の日本語――書きことばが揺れた時代…

石原に走らされて?

承前*1http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120919/1348013340 尖閣諸島「国有化」に関するのだめの弁明。これを読むと、石原慎太郎の挙動がのだめを刺戟し、のだめの挙動が中国を刺戟してしまったということになる。のだめの気持ちも理解できないではないけ…

郡山(メモ)

知の自由人たち―近代日本・市井のアカデミー発掘 (NHK人間大学)作者: 山口昌男出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 1997/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログを見る山口昌男『「知」 の自由人たち 近代日本・市井のアカデ…

「失われた10年」?

Via http://d.hatena.ne.jp/nessko/20120922/p1金平茂紀*1「日本のテレビ局はなぜ反原発の動きを報じ損ねたのか?」http://www.asahi.com/digital/mediareport/TKY201209070270.html 曰く、 これまで日本のテレビは、ごく概括的に言えば、原発について異議申…

2か月

承前*19月22日で、禁煙2か月目に突入。 *1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120910/1347245350

日本滞在

父親の手術のため、30日まで日本に滞在中。 19日に来日。飛行機の中で余華*1のChina in Ten Wordを読了。着陸寸前、もう千葉県の地面が見えてきたときに乱気流にぶつかった。後でそのとき竜巻が起こったことを知る。乱気流のせいなのか、その日は、飛行機を…

「毛儒」など

http://weibo.com/1668244557/yBJGvlnNT 中国大陸における政治思想の見取り図。呉鉤氏による。 「原教旨」はfundamentalism、日本語で言えば原理主義。「毛儒」は甘陽*1などの立場だということだが、「新法家」とはどんな思想潮流を指すのだろうか。 *1:See …

御大出陣など

承前*19月15日と16日の中国は幾らかは〈2011年倫敦〉的な要素も考慮しなければならないだろう。 2005年の〈反日〉との違いのひとつは毛沢東という記号の氾濫だろう。毛沢東の肖像、それから紅衛兵のコスプレ。この背景に、〈重慶事件〉でダメージを蒙った〈…

のっぽの毛

9月9日は毛沢東の命日だったのだ。 さて毛沢東は身長が183cmあり、スターリンよりも10cm高かったという*1。身長差の政治的象徴性というのは例えばかつてのマッカーサー元帥と昭和天皇とのツーショット写真に明らかだが、毛沢東が蘇聯を訪問してスターリン…

吹けば

尖閣列島を巡って日中関係が一気にテンパってきたが、カナダ在住の中国人であるという「連鵬」氏の9月11日付けの呟きは穏当なものだといえるだろう; 中日不会为钓鱼岛一战的。钓岛是重要战略棋子,美国重返亚太,日本长远国家战略,中国东海战略,利益复杂…