とどのつまり海馬

朝日新聞』の記事;

東京湾にトド?専門家「聞いたことがない」 弱って群れとはぐれたか
1/16(月) 20:00配信


朝日新聞デジタル

 羽田空港近くの東京湾で15日、「トド」とみられる生物が目撃された。専門家によると、東京湾での目撃は非常に珍しいという。なぜ、この場にいたのだろうか?


 「茶色い何かがいる」

 友人とボートで沖釣りをしていた東京都北区の男性会社員(54)が、トドのような生物を見つけたのは15日昼ごろ。羽田空港近くの岸壁に寝そべっていた。

 男性はダイビングや釣りなどをよくしている。これまでに見たことがない生物との遭遇に驚き、あわてて友人に声をかけた。

 「なんだろう? オットセイ?」

 みんなで話しながら見守った。だが、茶色の生物は、寝そべったまま動かない。鳴いてもいない。「死んでいるように思った」

 しばらくすると、頭を動かし、顔をそむけるようなしぐさを見せた。男性は「そっとしておいてって感じで、元気のない様子だった」と振り返る。

 その後、ゴロンゴロンと寝転がりながら、岸から海に降りたという。「死んじゃいそうだったから、大丈夫かなと。友人は、ちゃんと泳いでいたと言っていましたが……」


■オットセイに似るが「毛も足も短い」

 千葉県鴨川市の「鴨川シーワールド」の飼育員・加納幸司さん(39)に、男性と一緒にいた友人が撮影した映像を見てもらった。この生物は「オットセイ」ではなく、「トド」の可能性が高いという。同館ではトドも飼育している。

 トドはアシカの仲間で最も体が大きい。体重はオスで1トン、メスも250キロ近くになるという。

 トドとオットセイは似ているが、映像の生物はオットセイにしては、毛が短く、前脚と後ろ脚が短い。大きさからも「トドのメス」とほぼ断定できるという。

 なぜ東京湾にいたのか。

 トドは、春夏はオホーツク海ベーリング海で過ごし、11月~5月にかけて、エサの魚やイカを求めて北海道に南下してくる。

 「トドは群れで過ごす。体調が悪かったからか、群れについていけなくなり、さまよっている間に、南下する潮の流れに乗ってしまったのではないか」と加納さん。

 2014年には、トドのメスが千葉県の外房で発見され、鴨川シーワールドで保護された。


■「海で泳げる余力はある」

 「南下するのは弱った個体の可能性が高く、多くは人に発見される前に死んでしまう。関東で見つかるのは珍しいが、東京湾で発見されたのはさらに珍しい」

 目撃した男性によると、東京湾で発見された生物は、転がるように海に戻ったという。加納さんは、「本当に弱っていたら海に入らない。海で泳げる余力があるのだろう。心配ではあるが、がんばってほしい」

 北海道では漁師の網を食い破ることなどから、トドは「海のギャング」とも呼ばれている。漁業被害防止と保護の共存を考えながら、毎年個体数を決めて捕獲しているという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2c5ffd1491a4a022b3f321628c905eeb97e24f65

ちなみに、とどのつまりの「とど」は海馬とは関係ない*1
「 漁業被害防止と保護の共存を考えながら、毎年個体数を決めて捕獲しているという」けれど、Wikipediaを見ると、1960年代には自衛隊の戦闘機で機銃掃射を行ったとか、かなり派手な仕方でトドを虐殺していたことを知った*2
日刊ゲンダイ』の記事は、最近の珍しい海洋生物事件がまとめ的に言及されている;

迷いクジラの次はオットセイ?年明けから日本近海で続く海洋生物の“異変”は大地震の前触れか
1/17(火) 14:00配信


日刊ゲンダイDIGITAL

 15日、東京湾羽田空港滑走路近くの岸に「オットセイ」、あるいは「トド」とみられる生物が目撃された。

 どちらにしても東京湾での目撃例はレアケース。先日も大阪市の淀川河口近くに全長15メートルのクジラが迷い込み、注目を集めたばかりだ。今年に入ってからというもの、日本近海では海洋生物の「異変」が相次いでいる。

 今月12日には富山市の四方漁港で、世界最大級の「ダイオウイカ」とみられる赤いイカの泳ぐ姿が確認された。ダイオウイカは6日にも兵庫県豊岡市で泳ぐ姿が確認され、15日には鳥取県岩美町に打ち上げられた*3

 これだけ短い間に通常は水深500メートルから1000メートルに生息する最大20メートル超の巨大イカが頻繁に現れるのは異例だ。同じく深海に生息する「リュウグウノツカイ」が13日、神奈川・茅ケ崎市の砂浜で死んだ姿で見つかった。

 14日には静岡・浜松市の漁港近くの川面に、海水魚の「ボラ」が大量発生。ボラの大群は名古屋市北区を流れる黒川でも5日昼に目撃され、200メートルにわたり水面を覆った。秋田、山形、新潟の3県では「ホシフグ」が大量に打ち上げられ、北海道の海岸では数キロにわたって「イワシ」の死骸が大量に漂着した。

 いずれも詳しい理由は分かっていない。相次ぐ異変にSNSでは「大地震の前触れ」と危惧する声が見受けられる。

 あの「3.11」の1週間前にも、茨城・鹿嶋市の下津海岸にイルカ約50頭が座礁していた。海洋生物の「怪行動」や「変死」は天変地異の予兆なのか。立命館大環太平洋文明研究センター教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)に聞いた。

「過去の大地震や火山噴火の前にも、生物の異常行動が数多く確認されています。これらは『宏観異常現象』と呼ばれますが、今のところ『天変地異の前触れ』と言い切るには科学的根拠や因果関係が解明されておらず、『後付け』の域を出ません。ここ3年ほど、西太平洋に熱が集まる『ラニーニャ現象』が続き、日本近海の海水温度が上昇。その影響が海洋生物の異常行動を促しているとまでしか言えないのが、今の科学の限界です」

 海の生物たちの“訴え”が予知に役立つ日はいつか来るのだろうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e7125178f4446237cc75ad325ae8569829488ba