「名の由来」など

今年は「水平社宣言」100周年なのね。

武田肇*1「ryuchellさん、息子の名の由来は「人種差別考えてほしくて」」https://www.asahi.com/articles/ASQ2R01WHQ24PTIL01P.html


りゅうちぇる*2へのインタヴュー記事。


タレントのryuchellさんは、3歳になる息子に、黒人差別を題材にした映画の登場人物の名前をつけました。人種差別や偏見について考えてほしいとの願いからだそうです。そう考えるようになった理由を聞きました。


 ぼくの3歳になる息子の名前の由来は、「ヘアスプレー」というアメリカのミュージカル映画です。

 映画の舞台は、黒人への差別が激しかった1962年の米ボルティモア。ダンスが大好きな白人のヒロインが、テレビのダンス番組での黒人差別に抗議し、黒人の友人たちと一緒に踊ることができる番組を作る物語です。息子が大人になってこの映画を見たとき、人種差別や偏見について考えてほしいと思って名付けました。


人間ってわからないものに出会うと、型や枠にはめたがります。こういう人たちはきっとこういう考えを持っているとか、どうせこうなんだとか。そう考えた方が簡単で安心できるから。差別や偏見はそんなところから生まれると思います。一緒の考えの人といた方が人間は心地いいから、誰にも注意されないと、差別する人は似たもの同士でくっついていきます。だから差別される側の痛い思いは、差別する側には想像もできないのだと思います。

今回の取材を受けるにあたって、100年前の「水平社宣言」を初めて読みました。とても大事なことが書いてあり、もっと知られて注目されてもいいのにと思いました。なのに正直、有名ではないなあと。100年たって多様性とか新しい言葉も浸透しているけど、まだ言葉だけで、個々人が生き方を変えるまでには降りてきていないとも感じました。

 いまよく使われる多様性は、学べば学ぶほど、難しいと感じます。差別や偏見をなくし、多様性を認めようということも押しつけであり、多様性から離れてしまうと反論されてしまうかもしれないからです。でも、ぼくらは「社会」を生きています。多様性を認めることは、なんでも好き勝手にしたり、言いたい放題言ったりすることではないと思います。ぼくが思う多様性は、お互いの「好き」「大事にしているもの」を認めて尊重していくことです。簡単じゃないけど、「理解できなくても認める」というワードをいつも大事にするように心がけています。