『朝日新聞』の記事;
『神戸新聞』;
画家の富山妙子さん死去 光州事件テーマ、海外にも影響
武田肇2021年8月19日 11時15分
富山 妙子さん(とみやま・たえこ=画家)*118日、老衰のため東京都内の自宅で死去、99歳。故人の遺志で葬儀は行わず、後日お別れの会を開く。
1921年、神戸市生まれ。旧満州(中国東北部)の大連とハルビンで育つ。女子美術学校(現・女子美術大学)を中退。戦中から画家の道を歩み、戦後は炭鉱や日本の植民地支配をテーマにした作品を発表。韓国で80年5月、民主化を求める多くの市民が軍に殺害された光州事件を題材にした版画シリーズは海外でも展示され、影響を与えた。2011年の東日本大震災以後は原発問題もテーマとした。韓国の民主化運動に貢献したとして今年6月、韓国政府から国民勲章が授与され、ソウル・延世大で大規模個展「記憶の海へ」が開催中だった。(武田肇)
https://www.asahi.com/articles/ASP8M3HYXP8MPTIL006.html
岩波書店のツィート;
2021/8/19 22:51神戸新聞NEXT反骨の画家・富山妙子さん死去 神戸出身
権力に抑圧される人々をテーマに創作を続けた反骨の画家・富山妙子(とみやま・たえこ)さんが18日午後3時1分、老衰のため、東京都内の自宅で死去した。99歳。神戸市出身。葬儀・告別式は故人の遺志により行わず、後日「お別れの会」を開く。
少女時代を過ごした旧満州(中国東北部)での体験が芸術家としての原風景となった。女子美術専門学校(現女子美大)中退。戦後、創作を通じて炭鉱や戦争、天皇制、慰安婦などの問題に一貫して取り組み、日本とアジアの関係を問い続けた。理不尽なものへの怒りを表現、東日本大震災後は原発問題も題材にした。中村正義賞、NGO「アジア人権基金」による女性特別人権賞などを受賞。
絵画制作のほか、音楽家高橋悠治さんと音楽と映像による作品を共同制作し、国内外で展覧・上映会を開催。2009年に「越後妻有アートトリエンナーレ」の一環で、新潟県で大規模な回顧展が開かれた。著書に「炭坑夫と私」「時代を告げた女たち 20世紀フェミニズムへの道」など。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202108/0014605713.shtml
「白寿」だったのか! 昔、富山さんの文章を通じて、シュールレアリスムやバウハウスなどのアートにおけるラディカリズムと政治的なラディカリズムの関係を学んだのだった(『解放の美学 二〇世紀の画家は何を目ざしたか』)。朝鮮人「慰安婦」をテーマにした富山さんの作品「海の記憶」にインスパイアされた黒テントの『海鳴り花寄せ』(演出:佐藤信、音楽:高橋悠治)が築地本願寺で上演されたのは1987年のことだったか!画家の富山妙子さんが白寿で逝去されました。戦後に炭鉱、第三世界、韓国、戦争責任をテーマに作品を発表。小社では『アジアを抱く』『戦争責任を訴えるひとり旅』『帰らぬ女たち』等をご執筆くださいました。謹んでお悔やみを申し上げます。
— 岩波書店 (@Iwanamishoten) 2021年8月19日