駒澤大学「風習」

「甲子園V主将裁判で主張、駒大野球部「風習」で転落」https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202101270000739.html


夏の甲子園の英雄でありながら強盗傷害に手を染めた男がその裁判の被告人尋問で語ったこと。


〇△被告*1はスポーツ推薦で18年に駒大に進み、2月から野球部に入部した。弁護側の被告人質問で、1年春からリーグ戦に出場していたにもかかわらず、退部した理由を、〇△被告は「深夜2時、3時までコンクリートの上に正座させられたり、雨の中、傘もさせずに先輩たちの買い出しに行かされたり、たばこの火で根性焼きさせられたりしました。3月から9月に退部するまでほぼ毎日ありました」と供述。「チームの体質、風習についていけなかった」ことが退部の理由と説明した。

通学は続けたものの、駒大はキャンパスがひとつのため「顔を合わせたくない先輩たちと顔を合わせるのが苦痛になった」ため、19年3月に退学したとした。

中畑清*2が在籍していた1970年代ではなくて21世紀の話だということに吃驚。
ところで、ブラック企業かどうかを測る指標のひとつに退職率があるだろう*3。また、宗教団体の場合でも、退会率の高さは、その教団が俗に謂うカルトなのかどうかを判断する上で重要な指標になるだろう。駒澤の野球部を「 チームの体質、風習についていけなかった」ことを理由に辞める人は年間何人くらいいるのだろうか。また、こうした「体質、風習」の消息はどれくらい部外に漏れていたのだろうか。全くの推測なのだが、「体質、風習」に順応して、それに耐えて、部内での地位を上げていった人たち*4はどうしても「体質、風習」をポジティヴなものとして改釈する傾向があって、ネガティヴな面は隠蔽され、(彼らか見た)落伍者の立場にも立つことはできない。他方、「体質、風習についていけなかった」人にとっては、部活を辞めざるを得なかったこと自体がトラウマであり、自らが経験した「体質、風習」も黒歴史化され、他人に語られることもない。全くの推測だけど、こんな感じだろうか。いちばんいいのは、誰かがきっちりと駒沢大学野球部をフィールドワークすることだろう。駒澤には社会学科もあるしね。
さて、「根性焼き」ってヤンキー文化だと思っていけれど、体育会にもあったのか!

*1:原文は実名。

*2:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20100510/1273457615 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20171014/1508003430

*3:求人広告がしょっちゅう出ているような企業は危ない。

*4:マジョリティかも知れない。