半藤一利

NHKの報道;


作家の半藤一利さん死去 90歳
2021年1月13日 0時52分


昭和史の研究で知られ、戦争などをテーマに数多くのノンフィクション作品を発表してきた、作家の半藤一利さん*1が亡くなりました。90歳でした。

半藤一利さんは、昭和5年に東京で生まれ、東京大学文学部を卒業後、出版社の文藝春秋に入社して、「週刊文春」や「文藝春秋」の編集長などを歴任しました。

探偵のような鋭い目で歴史を探究する「歴史探偵」を名乗り、昭和史などをテーマに数多くのノンフィクションを発表してきました。

昭和20年8月15日の玉音放送に至る24時間を綿密な取材で再現した「日本のいちばん長い日」などの作品で知られ、昭和の歴史を読みやすい文章で綴った「昭和史」は、ベストセラーになりました。

昭和14年に起きた旧ソビエト軍との軍事衝突、ノモンハン事件での旧日本軍のエリート参謀の無謀な作戦ぶりを批判した「ノモンハンの夏」で、平成10年に山本七平賞を受賞したほか、平成27年にはすぐれた文化活動に携わった個人や団体に贈られる「菊池寛賞」に選ばれています。

また、NHKの「その時歴史が動いた」など歴史番組に多く出演し、わかりやすい語り口で解説をしてきました。

関係者によりますと12日、東京・世田谷区の自宅で倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されたということです。


歴史家 秦郁彦さん「昭和史の第一人者」
半藤さんと長年、昭和史の研究に取り組んでいた、歴史家の秦郁彦さん(88)は、「ともに東京大学で学生だったころに知り合い、卒業後も、半藤さんが『文藝春秋』の編集長を務め、私は記事を寄稿するといった、編集者と作家の関係だった。また、昭和史を中心とした歴史探究を行う活動を長年続けていたが、半藤さんが去年の初めに体調を崩したため中断を余儀なくされ、回復したら活動を再開しようと約束していた。半藤さんは、昭和史を一般の人にもわかりやすくかみ砕くとともに、学術的に遜色のない内容として伝え、高い評価を受けていた。その背景には、事実の究明に厳格な姿勢があって、歴史を深く広く見つめていて、まさに昭和史の第一人者だったと言える。残念でほかなりません」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210112/k10012811121000.html

訃報というものに接するとき、この人の著書は全然読んでいないな、この人の映画は全然観ていないな、人生の宿題がまた増えた! と思うことが多々ある。半藤氏の場合もその例に漏れない。特に、『隅田川の向う側 – 私の昭和史』*2は読んでみたいと思った。