「アブラハム系」

ロビン・ゴメス「アブラハム系宗教、命の終末をめぐり共同声明」https://www.vaticannews.va/ja/church/news/2019-11/abrahamic-religions-no-to-euthanasia.html


「あらゆる種類の安楽死に反対」する共同声明。


「わたしたちは、故意に、計画的に、生命を直接絶つ行為である、あらゆる種類の安楽死*1に反対します。医師による自殺幇助に対しても同様です――それは自殺を、故意に計画的に直接的に助ける行為です。これらは、人間の生命の不可侵的価値を根本的に否定するため、本質的にまたその結果として、道徳的に宗教的に間違っており、例外なく禁じられるべきです。」

アブラハム一神教の代表者らは、安楽死、自殺幇助、緩和ケアなどの終末期の倫理問題に関する立場を表明し、署名した声明書を、10月28日(月)バチカンにて発表した。

アブラハム一神教」という用語は、ユダヤ教徒キリスト教徒、イスラム教徒やその他の人々によって、信仰の父祖として認識されている旧約聖書の人物アブラハムに由来する。

拙blogでも「アブラハムの宗教」という表現は何度か使っている*2。また「経典の民」という言い方もあるけど、このように、「アブラハム一神教」ということで、共同のステイトメントなりアクションなりを行なったというのは今まであっただろうか。ここで鍵となるのは、唯一神の贈与としての生命という観念だろうか。なお、この声明では、「安楽死」に反対する一方で、「緩和ケア」は積極的に肯定している。