AIDその他

延江浩*1「社長は口をあんぐり…小説家・川上未映子による審議会での珍事」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190704-00000015-sasahi-ent


少し切り貼り。


ロバート キャンベルさん*2がパーソナリティーの『人生に、文学を。』の公開録音に、最新作『夏物語』を7月11日に発売する川上未映子さん*3をゲストに迎えた。その席で、僕は“AID”という言葉を知った。非配偶者間人工授精(Artificial Insemination by donors)といって、夫以外の第三者精子を使う人工授精である*4。男性側に不妊の原因があるとされる夫婦などが子供を持ちたい時にこの方法を選ぶ。

 国内では1948年よりAIDで1万人以上が生を得た。大半の子供は第三者精子で生まれたことを知らされなかったが、ここへきて知る権利も考慮されるようになった。実際、親が隠していても、子供はどこかで事実を知ることも多い。隠したかった親と、事実を知ってしまった子供。親が後ろめたいと思っている方法で生まれた自分の生に、多くの子供は悲しみとストレスを感じる。

 2万~3万円の報酬で精子を提供していた学生らも「あなたが精子提供者だということが、将来子供に知られることもある」との説明にためらい、精子が枯渇している現状だという。

『夏物語』の中で、川上さんはAIDで生まれた男を主人公と出会わせる。小説家・夏子はセックスを望まず、パートナーなしの妊娠方法を探していた。精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢潤と出会い、心を寄せ合うようになる。人は誰もが親や生まれた環境、生まれ持った身体に大きく左右される。どれも自分で選ぶことはできない。

川上さん曰く、「とりかえしのつかないものは『死』であるけれど、生まれてくることのとりかえしのつかなさについても考えてみたい」。

 川上さんは僕の勤める局*5の番組審議委員(バンシン)でもある。リスナーと年齢が近く、常識にとらわれない発想とパンクな行動力で世間を揺り動かしている表現者にこそ番組を審議して貰いたい。そう思って彼女のエージェントに連絡したが、本人が受けるかどうかはわからないと告げられたまま数カ月、諦めかけた時に僕の携帯が鳴った。ご本人だった。

「うわぁー! まるでシン・ゴジラみたい!」。映画『シン・ゴジラ*6で、ゴジラの首都来襲に首相や大臣が官邸に集まる場面があるが、神妙な雰囲気が似ていると、審議席に座る社側の面々にスマホを構えた。当時の社長は口をあんぐり。「はい、チーズ!」。末席にいた僕もつい笑ってしまった。天真爛漫な川上さんにお願いして良かった。

シン・ゴジラ DVD2枚組

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