教会でポルノ(ウガンダ)

Xan Rice “Gay activists attack Ugandan preacher's porn slideshow” http://www.guardian.co.uk/world/2010/feb/18/uganda-gay-porn


ウガンダのMartin Ssempaという牧師*1カンパラの自らの教会で、同性愛の〈悪〉を啓蒙するためにゲイ・ポルノのスライドショーを行った。これに対して、アフリカ大陸のゲイ・サポート団体は批判を表明している。例えば、Sexual Minorities UgandaのFrank Mugisha議長は、Martin Ssempaは公然猥褻罪で逮捕されるべきだと訴える。ウガンダでは、現在議会に反同性愛法案が提案されている。これが成立すると、同性との性行為が見つかった場合は終身刑、常習者は死刑になる可能性がある。Martin Ssempaはこの法案の熱烈な支持者で、ウガンダ政界への影響力も強い。
同性愛者へのネガティヴ・キャンペーンのために教会でゲイ・ポルノを上映したりしたら、却って寝た子を起こす効果によって、同性愛に魅惑されてしまう人も出てくるのではないかと思うのだが。
アフリカ大陸ではホモフォビアの感情が強いが、それが(ヨーロッパ人との接触以前からある)伝統的なものなのか、基督教の影響によるものなのか、近代的な人間主義の影響によるものなのかは、よくわからない。そもそも〈異性愛者〉〈同性愛者〉という人格属性は19世紀の精神医学によって構築されたものであり、それ以前には、男色行為というのは存在しても、〈同性愛者〉は存在しなかったわけだが。ウガンダに限らず、旧英国殖民地の諸国は何処でも近年まで同性との性行為が法的に禁止されていたが、それはhuman natureに反するという世俗的・人間主義的な理由付けがなされていた。向坂逸郎とか菅孝行の反同性愛的発言*2もその系譜に属するといえるだろう。