拳銃も目的も見当たらず

朝日新聞』の記事;


警察官が男に刺され重傷「拳銃を奪われた」 大阪・吹田
2019年6月16日07時51分


 16日午前5時40分ごろ、大阪府吹田市千里山霧が丘の吹田警察署千里山交番前の路上で、通りかかった男性から「警察官が血を流して倒れている」と110番通報があった。

 吹田署によると、血を流して倒れていたのは交番に勤務する男性巡査(26)。病院に搬送されたが重傷という。巡査は搬送前、「男に刺され、拳銃を奪われた」と話したといい、強盗殺人未遂容疑で捜査している。
https://www.asahi.com/articles/ASM6J2H78M6JPTIL003.html


「空き巣事件」虚偽の通報後、警官刺したか 逃走中の男
2019年6月16日11時03分


 16日午前5時40分ごろ、大阪府吹田市千里山霧が丘の吹田警察署千里山交番前の路上で、阪急千里線千里山駅の駅員から「警察官が血を流して倒れている」と110番通報があった。倒れていたのは吹田署地域課の男性巡査(26)で、病院に搬送され、胸などを複数箇所刺されており重傷。30代ぐらいの男が巡査を刺したとみられ、実弾5発入りの回転式拳銃1丁を奪って逃走しているという。

 石田高久・府警本部長は「不安を与えて申し訳ない。身の回りを警戒し、不審者を発見した場合は110番通報をお願いする」とのコメントを出した。

 捜査1課は同日、強盗殺人未遂容疑事件として吹田署に捜査本部を設置した。

 刑事総務課によると、巡査は、男性巡査部長(44)と男性巡査長(33)の上司2人の計3人で当直勤務に入っていた。16日午前5時半ごろ、阪急千里線関大前駅の下り線ホームの売店前にある公衆電話から男の声で110番通報があり、空き巣事件があったと覚知した。事件現場が交番の管内だったため、巡査の上司2人がまずバイクで現場に急行し、鑑識などの準備を終えた巡査が交番を出て現場に向かうところ、男に刺されたとみられるという。発見時、巡査の左胸には包丁が刺さったままの状態で、他にも複数箇所の刺し傷があったという。巡査は搬送前、交番に戻ってきた同僚警察官に「男に刃物で刺され、拳銃を奪われた」と話したという。同課によると、ひもの留め金具が外され、拳銃が奪われたとみられるという。巡査は搬送時、意識があったが、その後、容体が悪くなったという。

 府警が空き巣被害の申告があった集合住宅の一室を調べると、被害は実際には確認されなかったという。府警は男が虚偽の110番通報をしたあと、巡査を刺した可能性もあるとみて関連を調べている。

 捜査関係者によると、巡査が刺された事件を覚知する約1時間前の午前4時15分ごろ、交番付近の防犯カメラに、黒っぽいジャンパーに白いTシャツ、黒っぽいズボン姿の30代ぐらいの男が行き来する姿が映っていたとし、男が何かしら事情を知っているとして行方を追っている。
https://www.asahi.com/articles/ASM6J3G0QM6JPTIL009.html

「府警は男が虚偽の110番通報をしたあと、巡査を刺した可能性もあるとみて関連を調べている」ということで、最初から単独犯ということを前提にしているようだけれど、組織的犯行という可能性はないのだろうか。

外出自粛や公共施設閉鎖…警官刺傷、大阪が厳戒態勢
2019年6月16日14時53分


 大阪府吹田市で警察官が襲われ、拳銃を奪って逃走している事件を受け、府や近隣の自治体は公共施設の閉鎖や学校のクラブ活動中止などを決め、イベントの取りやめも相次いでいる。容疑者の身柄が確保されない中、自治体の首長らが住民に不要不急の外出自粛を呼びかけるなど、「厳戒態勢」になっている。


 府は16日、府幹部による緊急会議を開催。容疑者の身柄が確保されなければ17日は吹田市大阪市の一部など11市町の府立高校・支援学校を自宅待機や休校にすることを決めた。吉村洋文知事は府庁で記者団に「不要不急の外出を控え、安全確保を大事に行動をお願いしたい」と述べた。

 また、吹田市は午前8時半から1時間おきに防災行政無線で市民らに注意喚起。市の休日急病診療所をのぞき、公民館や図書館、体育館の臨時休館を決定し、小中学校のクラブや課外活動も中止した。17日午前7時時点で容疑者の身柄が確保されていない場合は小中学校は臨時休校とし、同9時時点で確保されれば授業を再開するという。

 箕面市も小中学校や図書館などを閉鎖。病院の救急外来や葬祭場などを除く市内すべての公共施設を閉館した。摂津市は小中学校、幼稚園・保育所に子どもを通わせる保護者に緊急メールを配信。市内すべての小中学校で容疑者の侵入を防ぐため校門を閉鎖した。高槻市は市のホームページと公式ツイッターで外出の自粛と不審者情報の提供を呼びかけている。

 高槻、茨木両市とも、17日の小中学校臨時休校の検討も始めた。

 府内各地のイベントにも影響が出ている。

 吹田市万博記念公園の管理会社によると、16日に公園内で予定していたイベントをすべて中止に。公園内にある1970年大阪万博の記念館「EXPO’70パビリオン」と「自然観察学習館」も16日午後から臨時休館とした。

 関西大学吹田市)と大阪学院大学(同)は、16日に予定していたオープンキャンパスの中止を決定。来場者の安全に配慮した措置という。

 また、同市文化会館で開催予定だったヤマハミュージックリテイリングが主催する合同の音楽発表会が中止となった。同社によると、発表会は3部構成で幼稚園児から社会人まで計100人ほどが出演する予定だったという。
https://www.asahi.com/articles/ASM6J45W1M6JPTIL017.html

犯人が「確保」されなければずっと「休校」ということなのだろうか。
犯人が何のためにここまで苦労して、(大阪府警の認識によれば)計画的に拳銃を強奪したのかという動機というか目的が見えてこない。政治的或いは宗教的な背景を持つテロリストだったとして、拳銃一丁では大した成果はそもそも期待できないだろう。自殺に使いたい? こんな苦労しなくても自殺の手段は幾らでも転がっている。ただ、ここまで市民の活動を委縮させ、室内に閉じ込めているということで、犯人のテロリスト的目的は実現されたといえるかも知れない。
ところで、容疑者について色々な情報が錯綜しているようだけど、それらは事件快活への希望を与えるというよりは不安や恐怖をさらに煽るという仕方で機能しているということもあるのでは?

さて、山形県内で女性医師が殺されて、山形大学の学生が逮捕された事件というのも、この拳銃強奪事件と同様に不可解な事件。

又市征治の引退

北日本新聞』の記事;


又市氏が議員引退 参院選不出馬 党首は続投
6/16(日) 5:00配信 北日本新聞


 社民党党首の又市征治参院議員(74)=3期、富山市田中町*1が改選を迎える夏の参院選に出馬せず、国会議員を引退する意向を固めた。党の候補者擁立作業がほぼ完了したことに加え、自身の体調を考慮したとみられる。党首は議員を辞めた後も続け、国政や党運営には関わる。15日までに関係者に意向を伝えており、近く表明する見通し。

 又市氏は今年2月、比例代表では出馬しないと表明した。以降、党全体の候補者擁立の状況をにらみながら、改選1人区や都市部の複数人区での立候補を模索してきた。

 これまでに富山など1人区の野党候補の一本化調整が完了し、又市氏の擁立には至らなかった。東京、神奈川など主要な複数人区でも社民は別の候補者を立てた。自身は5月中旬に肺がんの手術を受けており、党の戦略や健康面を総合的に判断して不出馬を決めたようだ。

 党首の任期は来年2月まで残っており、職務は続けることになる見込み。関係者によると、衆参同日選となった場合、衆院にくら替えする選択肢は残るという。

 北日本新聞は15日、又市氏に取材を申し入れたが、関係者が「療養中のため応じられない」と答えた。

 又市氏は自治労県本部執行委員長などを経て、2001年の参院選比例代表で初当選し、現在3期目。党副党首や幹事長を務め18年2月から党首を務める。党県連前代表で現在は特別顧問。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190616-00129175-kitanihon-l16

申し訳ないが、「党首」とはいってもあまり鮮やかな印象はないのだった。これは、社民党がその存在感を徹底的に低下させていることと関係があるだろう。勿論、それが望ましい状況であるわけはない。まあ、「肺がん」ということであれば、後退戦の指揮を執るよりは自愛して療養に努めるのが吉だということにはなるだろう。

「「働く女の子」を描いた」作家

承前*1

三宅香帆「追悼・田辺聖子 25歳の働く女性は、田辺作品の「舐めんな」に励まされた」https://bunshun.jp/articles/-/12371


1973年の小説『言い寄る』を中心に。
少し抜書き。


田辺聖子、の名前を聞いて思いつくジャンルは人によってさまざまだろう。恋愛小説だったり、古典の新訳だったり、はたまたあの映画の原作だったり、朝ドラだったり。だけどそのどのジャンルの中にも、実は、田辺聖子は必ず「女性と労働」というテーマをしのばせていた。いや、女性と労働なんて頭の固そうな言葉でまとめてしまっては、その魅力が失われてしまう。率直に言えば、「働く女の子」を描いたのが田辺聖子という作家だった。

 紫式部も実は宮中で働くOLだったし、田辺作品のヒロインはいつも恋をしつつ働く女性で、そもそも田辺聖子自身も書くことを仕事にする女性である。田辺聖子鶴見俊輔との対談のなかで、「世間には、若い女の子が結婚せずに仕事をつづけたいのに、親は「仕事やめて結婚しろ、しろ」というケースが多いでしょう。わたしなら、仕事にかけたいという娘ならいくらでもあと押ししてやるのに」 (注)と述べている。

 女の子が働くこと。田辺聖子が1958年にデビューし、1964年の東京オリンピックが終わって「OL」という言葉が生まれた時代に、それは小説の新しいテーマだった。


翻って50年後の2019年現在、田辺聖子は旅立ってしまったけれど、それでもまだ、彼女が描いた作品は、まったく、古くない。

 何が古くないかといえば、もちろん男女の趣味のいい会話や、週末に飲むビール、女友達とぐだぐだと話す時間など、今も「わかる!」と共感してしまう場面の描き方もあるけれど。同時になにより、田辺聖子の描くヒロインが無言で発する「舐めんな」とでも言いたげな姿勢が、今もなお田辺作品が読まれる理由ではないだろうか。

Franco Zeffirelli

朝日新聞』の記事;


フランコ・ゼフィレッリさん死去 映画監督やオペラ演出
ローマ=河原田慎一 2019年6月16日00時16分


 イタリアメディアによると、映画監督でオペラ演出家のフランコ・ゼフィレッリさんが15日、ローマの自宅で死去した。96歳だった。

 1923年、フィレンツェ生まれ。巨匠ルキノ・ビスコンティの下で舞台美術や映画監督の仕事に関わった。67年にシェークスピアの喜劇を映画化した「じゃじゃ馬ならし」で監督を務め、68年の英伊合作映画「ロミオとジュリエット」で成功を収めた。自ら脚本も執筆し、72年にはアッシジの聖フランチェスコの半生を題材にした「ブラザー・サン シスター・ムーン」を発表した。

 オペラの演出も手がけ、米国のメトロポリタン歌劇場でのプッチーニトゥーランドット」や、伊ミラノ・スカラ座でのベルディ「アイーダ」など、絢爛(けんらん)豪華な舞台で世界的に知られるようになった。ゼフィレッリさん演出の「アイーダ」は、新国立劇場開場記念の98年のほか、10周年、20周年などの公演でも上演された。

 94年にはベルルスコーニ元首相の率いる中道右派政党から出馬し、上院議員も務めた。(ローマ=河原田慎一)
https://www.asahi.com/articles/ASM6H7613M6HUHBI027.html

ロミオとジュリエット [DVD]

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See also


“Italian film director Franco Zeffirelli dies at 96” https://www.bbc.com/news/world-europe-48648278
Chris Wiegand “Franco Zeffirelli, revered Italian director, dies aged 96” https://www.theguardian.com/stage/2019/jun/15/franco-zeffirelli-revered-italian-director-dies-aged-96
John Francis Lane “Franco Zeffirelli obituary” https://www.theguardian.com/stage/2019/jun/15/franco-zeffirelli-obituary
「「ロミオとジュリエット」でアカデミー賞 映画監督死去」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190615/k10011954241000.html


『ブラザー・サン シスター・ムーン』は未見。というか、観たい観たいと思いつつ、そのまま40年以上過ぎてしまった。
上掲の記事たちでは文藝大作の陰に隠れてしまっているが、1979年の『チャンプ』、1981年のブルック・シールズ主演の米国版〈八百屋お七〉『エンドレス・ラヴ』*1も忘れてはならないだろう。

エンドレス・ラブ [DVD]

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*1:このとき、ブルック・シールズは15歳。『ロミオとジュリエット』でオリヴィア・ハッセーがブレイクしたときも15歳だった。

柳田國男/宇沢弘文(柄谷行人)

柄谷行人*1『遊動論 柳田国男と山人』から。


(前略)私のみるかぎり、柳田の農政学を回復しているのは、柳田と無縁で、おそらく柳田について無知な経済学者、宇沢弘文*2である。宇沢はいわゆる近代経済学者であったが、新古典派およびケインズ主義の批判から、「社会的共通資本」(共有財)という考えに到達した。たとえば、水田はたんなる生産手段ではない。それは、蒸発―降雨という水循環をもたらし、周囲の環境を形成する社会的共有財であって、私有財産に還元されえない。同様に、農村は、個々の農家あるいは農業に還元されない。それらを足し合わせた以上の社会的共有財(コモンズ)としてある。
宇沢の考えでは、これまでの日本の農政は、個々の農家を経営単位として、その経営的規模を大きくし、労働生産性を高めることによって、工業部門と比較して劣らないものとし、他の国々の農業とも競争しうる効率的なものにするということに焦点がおかれてきた。しかし、《独立した生産、経営単位としてとられるべきものは、一戸一戸の農家ではなく、一つ一つのコモンズとしての農村でなければならない》(『社会的共通資本』)。
コモンズとしての農村は、林業水産業、牧畜などを含む生産だけではなく、それらの加工、販売、研究開発を統合的に、計画的に実行する一つの社会的組織である。それは、数十戸ないし百戸前後からなる。宇沢が提唱することは、柳田がかつて提唱したことと同じである。さらに、宇沢弘文は、三里塚の農民運動にコミットして「三里塚農社」を設立した。つぎの言葉は、柳田国男を想起させずにいない。

「社」という言葉はおそらく、コモンズの訳語として最適なものではないだろうか。というより、コモンズよりもっと適切に、私がここで主張したいことを表現する言葉であるといった方がよいかもしれない。社という言葉はもともと土をたがやすという意味をもっていた。それが、耕作の神、さらには土地の神を意味し、さらに、それをまつった建築物を指すようになった。社は、村の中心となり、村人たちは、社に集まって相談し、重要なことを決めるようになっていった。そして、社は、人々の集まり、組織集団を指すようになったといわれている。
元代の終わり頃には、社は行政のもっとも小さな単位でであった。「農家五十戸をもって社となす」と、当時の文献に残っている。(中略)*3社はまさに、コモンズそのものであったといってもよい。(同前)(pp.65-67)
社会的共通資本 (岩波新書)

社会的共通資本 (岩波新書)

*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060509/1147176621 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061102/1162433731 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061111/1163268262 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070301/1172719278 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070327/1175006715 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070502/1178032169 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070928/1190960267 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071207/1196999436 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080130/1201705768 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080222/1203653046 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080315/1205550667 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080618/1213764180 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080622/1214152497 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081111/1226421199 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081117/1226893758 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090218/1234940110 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090227/1235705016 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091125/1259121898 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091126/1259201785 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091127/1259318413 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100219/1266587087 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100325/1269541570 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100326/1269582083 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100415/1271309817 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101019/1287455134 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101230/1293678959 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110120/1295514427 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110427/1303918915 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110509/1304911992 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110609/1307596346 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110701/1309495567 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110709/1310185825 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110711/1310356905 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130304/1362367180 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130306/1362536717 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130415/1365992435 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131123/1385220562 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140224/1393263672 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151229/1451365219 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160627/1467026912 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160905/1473088215 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170130/1485743803 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170226/1488074467 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170512/1494553215 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180409/1523247868 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/05/21/093736

*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060408/1144471534 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091230/1262144139 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100816/1281992231 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110208/1297161088 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20111229/1325091628 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20111230/1325211614 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131116/1384584256 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140611/1402495986 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140613/1402586415 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140926/1411697403 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140928/1411871049 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160204/1454592588

*3:柄谷氏による省略。

正しい油、誤った油


増田曰く、

雑な当て字が嫌い


一番嫌いなのは醤油を正油と書くやつ

伝われば良い?ふざけんなな!
https://anond.hatelabo.jp/20190316061731

まあ、「ふざけんなな!」と青筋立てなくてもいいと思うけれど。
軽く驚いたのは、今でも「正油」という書き方があるんだね! ということ。「醤油」と正しく書くのが面倒くさいという場合、多くは平仮名で「しょうゆ」と書くんじゃない? でも、「正油」というのはたしかに昭和の時代には蔓延っていた。しかし、平成になってからだと、記憶の限り、1度しか見たことがない。新宿と幡ヶ谷の間にあるラーメン屋の「正油ラーメン」という品書き。
「正油」というのは、群馬県館林の皇室所縁の正田醤油を他の醤油から区別するために用いられ始めたということはない。

社会的世界は拡がる

朝日新聞』の記事;


小学生の自殺、最多は「家庭問題」 厚労省が原因分析
6/13(木) 11:19配信 朝日新聞デジタル


 自殺の原因は、小学生では家庭問題が多く、中高生から学校の問題が増える――。厚生労働省が過去10年の自殺統計を分析したところ、こんな傾向が分かった。10~30代の死因で最も多いのが自殺で、政府は自殺防止対策の強化を図っている。近く閣議決定する自殺対策白書に盛り込む。

 小学生の原因は、男女いずれも1位が家庭問題で、男子は「家族からのしつけ・叱責(しっせき)」42・9%、「学校問題その他」17・9%。女子は「親子関係の不和」38・1%、「しつけ・叱責」33・3%だった。中学生では家庭と学校の問題が入り交じるようになる。男子は「学業不振」が18・7%で最も多く、「しつけ・叱責」が18・1%で続いた。女子は「親子関係の不和」20・1%、「その他学友との不和」18・3%だった。

 高校生の男子では1、2位とも学校関係で、「学業不振」18・2%、「その他進路に関する悩み」16・4%。女子は「うつ病」18・3%、「その他の精神疾患」12・1%、「進路」11・8%と続く。大学生は、男性が「学業不振」「進路」、女性が「うつ病」「進路」の順だった。

 昨年の10~30代の自殺者は5348人で、自殺者全体の約26%を占める。厚労省は自殺防止のためのSNS相談事業を進めており、昨年度の相談件数は延べ2万2725件で、このうち約85%が10~20代からの相談だった。(西村圭史)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190613-00000022-asahi-soci

「過去10年」どころか過去20年、30年のデータでも同様な結果が出たと思うよ。ここから窺えることは、私たちが生きる社会的世界が「家族」から始まって、「学校」その他へと拡大されていくということだ。
「自殺の原因」としての鬱病というのは恢復期の出来事なのだろうけど*1、高校生や大学生において男性では目立たず、女性において顕著だというのは何故なのだろうか。