60年代前半



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「うたごえ運動」の最盛期は、1950年代からせいぜい60年代初めだったのでは? 60年代も半ば以降になると(一時よりは)衰退していたと思います。1950年代半ばから60年代ごく初期の日本映画で、うたごえの場面をしばしば見ます。

映画における「歌声喫茶」については、例えば、


川本三郎*1歌声喫茶の時代」https://conex-eco.co.jp/showa/56833/


ここで言及されている映画は、浦山桐郎の『わたしが・棄てた・女』(原作は遠藤周作)と古川卓巳の『逆光線』(原作は岩橋邦枝)。私は何れも未見。
ところで、1960年代前半以降、「うたごえ」の人気が衰えたということですが、日本共産党の権威の低下ということと関係があるかも知れません。60年代前半は構造改革派や蘇聯派の追放といったこともありましたが*2新日本文学会の独立に象徴されるように、藝術における共産党の権威の低下が本格的に始まったのがこの時代だったのではないか。
因みに、1950年代後半に米国でフォーク・ソングの復興があり、それから数年遅れて、60年代初めには日本でもフォークの運動が開始されています。また、1960年代後半以降のフォークといえばデニムというイメージとは異なり、この時代、フォークはアイヴィ・ファッションと結びついていた(なぎら健壱*3関西フォークがやって来た!』、p.89ff.)。