重なるディレンマ

承前*1

市川猿之助一家騒動の続き。


緊急搬送の市川猿之助、所属事務所が新たにコメント発表 現状を説明
5/20(土) 21:51配信


モデルプレス

【モデルプレス=2023/05/20】18日に緊急搬送された歌舞伎役者・俳優の市川猿之助が所属する事務所「ケイファクトリー」が20日、所属事務所の公式サイトにて現状について説明した。


市川猿之助の所属事務所「警察ならびに病院にて対応をいただいているものと認識」

19日、「弊社として報道を超えた情報を把握いたしておりません」と発表していた同事務所。

今回公式サイトでは、「市川猿之助に関して、お客様をはじめ関係者の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけいたしますこと深くお詫び申し上げます」と改めて謝罪。

その上で「市川猿之助の現状につきまして、警察ならびに病院にて対応をいただいているものと認識しております」とし、この件に関する事務所所属俳優からのコメントは控え、そして親族や近しい関係者に関する質問にも一切回答しないと立場を表明した。

そして「市川猿之助の自宅及び、ご親族の方への取材はお控えいただきたく、皆様のご理解賜りますようお願い申し上げます」と呼びかけている。


市川猿之助、18日に両親と緊急搬送

猿之助は1975年11月26日生まれ、東京都出身。2012年6月、二代目市川亀治郎改め、四代目市川猿之助を襲名した。歌舞伎役者としてはもちろん、俳優業での活躍も目覚ましく、ドラマ「ようこそ、わが家へ」(フジテレビ/2015年)、「半沢直樹」(TBS/2020年)、「ブラックペアン」(TBS/2018年)など数々の話題作に出演。最近では、「最初はパー」(テレビ朝日/2022年)「鎌倉殿の13人」(NHK/2022年)に出演し、その多彩な表現で視聴者を引きつけていた。

18日に父親の段四郎さんと母親とともに自宅で3人で倒れている姿が発見され、緊急搬送。両親は死亡していることが確認され、警察庁などは詳しい状況を調べているという。(modelpress編集部)



市川猿之助所属事務所 発表コメント全文

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

市川猿之助に関して、お客様をはじめ関係者の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけいたしますこと深くお詫び申し上げます。

市川猿之助の現状につきまして、警察ならびに病院にて対応をいただいているものと認識しております。

この件に関する弊社所属俳優のコメントは差し控えさせていただきます。

また、ご親族、近しい関係者に関するご質問への回答も一切しておりません。

市川猿之助の自宅及び、ご親族の方への取材はお控えいただきたく、皆様のご理解賜りますようお願い申し上げます。

【Not Sponsored 記事】
https://news.yahoo.co.jp/articles/623e3e7d4fef94762abf0be6932eaf2c9f038857

『日刊スポーツ』の記事;

市川猿之助「死んで生まれ変わろうと」両親と話し合いと説明 老老介護状態だったことも明らかに
5/21(日) 5:00配信



日刊スポーツ

 歌舞伎俳優市川猿之助(47)が両親とともに自宅で倒れ、両親が亡くなったことについて、猿之助が「死んで生まれ変わろうと家族で話し、両親が睡眠薬を飲んだ」と話していることが20日、分かった。

 また、母が父を介護する老々介護の状態だったことも明らかになった。休演していた東京・明治座の昼の部公演は、市川團子(19)の代役主演で再開した。

    ◇   ◇   ◇

 猿之助は「死んで生まれ変わろうと家族で話し、両親が睡眠薬を飲んだ」という趣旨の説明をしているという。警視庁は一家心中を図ろうとしたとみて、経緯を調べている。歌舞伎俳優の父市川段四郎さん(76)母喜熨斗延子さん(75)の司法解剖の結果、死因は向精神薬中毒死の疑いがあると明らかにされている。捜査関係者によると、猿之助も死亡した両親と同じく何らかの薬物を服用していた疑いがあるという。病院への救急搬送後に胃の洗浄を受けていた。これまでの現場検証と家宅捜索では、関連する薬物や容器は確認されていない。

 「死んで生まれ変わろう」と話し合ったということについて、にわかに理解しがたい部分もあるが、猿之助はこれまで輪廻(りんね)転生をテーマにした舞台を演出したこともある。これまでの取材で「輪廻転生した時、歌舞伎がなくなっていたら大変。そのためにも頑張る」と、生まれ変わりを信じているような発言をしたこともあった。

 また、複数の関係者によると、体調不良でほとんど寝たきりの状態だった父段四郎さんは、近年は思考能力も著しく低下していたという。母延子さんが世話をする、いわゆる「老々介護」の状態が長期間に及んでいた。猿之助も高齢の両親を支えながら澤瀉屋のトップとして多忙を極め、正常な判断ができなかった可能性も指摘されている。

 猿之助と両親は18日午前10時15分ごろ、東京都目黒区の自宅で倒れているところをマネジャーが見つけ119番した。両親は2階リビングの床に並んで倒れ、布団が掛けられていた。猿之助は半地下のクローゼット内で見つかった。猿之助は、発見時は意識がもうろうとしていたが、命に別条はないとして19日に別の医療機関へ移った。

 猿之助を巡っては、週刊誌「女性セブン」が性加害やハラスメント疑惑を報じていた。
(後略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a25c5e1233b37a777b2807cf269808d55bc7f5b8

市川段四郎夫妻の側にも、猿之助のこととは独立して前途を悲観する材料はあったことになる。
スポーツ報知「市川猿之助 両親は向精神薬中毒死の疑い 医師の見解は「無理やり飲ませるということは難しい」」から*2

向精神薬とは、抗うつ剤睡眠導入剤などの総称。脳の中枢神経に作用し、思考や感情、意欲などに影響するもので、睡眠障害パニック障害の治療などに用いられる。そうした薬はドラッグストアなどでは購入できず、一般的には医師に処方されるケースが多いとされている。

 司法解剖によると、2人は睡眠導入剤のようなものを大量摂取したとみられる。外傷や注射痕は体からは見つかっていない。両親がどのような経緯で、どの程度の薬を服用したのかも分かっておらず、今後警視庁は両親の血液を調べるなどして、薬物の特定を急ぐ。

 医療ガバナンス研究所の上昌広理事長(医師)*3は死因について「中毒死するほどの薬物を大量に摂取するとなると、自分で(意思を持って)飲まないと難しいでしょう」と指摘する。「錠剤では(致死量は)何十錠にもなるので、誰かが物理的に無理やり飲ませる、ということは難しいと思います。どんな薬でも大量に飲めば死に至りますが、ドラッグストアなどで手に入る一般的な薬を大量に飲んで、中毒死するということも考えにくいと思います」と述べた。

抑々大量の異物を吞み込もうとした場合、嘔吐という防衛メカニズムが作動するはずだろう。また、圧倒的な吐き気に抵抗しつつ、呑み込んでやろうという意志の力が必要になると思うのだけど、そういう意志力が吐き気に打ち克つということは可能なのだろうか?


デイリースポーツ「玉川徹氏「腑に落ちない」 猿之助両親の死因に「発作的ならなぜそれだけ薬が」」https://news.yahoo.co.jp/articles/79d00ecb6100ecdc55c8d7e8cf420d004a90eb25


テレビ朝日の玉川徹氏*4が22日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、歌舞伎俳優の市川猿之助が救急搬送され、両親が亡くなった件について、両親の死因が向精神薬中毒とされたことに「発作的であれば、この方法はそぐわないのではないか」との疑問を呈した」ということで、


玉川氏も「突発的、発作的というのであれば、この方法っていうのはちょっとそぐわない。だって1人じゃなく、3人が、2人が亡くなってますが、それぐらいの量(の薬を)集めないといけない。入手の問題。もし自分でとなると、3人が3人分長期にわたってためないといけない。長い計画性を持ってという話になるが、そういう雰囲気が猿之助さんに見られなかったと」と、大量の薬を集めるには、以前から計画をしていなければ難しいのではないかと指摘。

 一部週刊誌でハラスメント報道がなされていたが「一部報道が関わっているとなれば、突発的、発作的となるが、ならなぜそれだけの薬があるのか。ちょっと腑に落ちない」ともコメントしていた。

「文春オンライン」特集班「「なぜパジャマのまま薬を…」市川猿之助さん(47)一家“心中”事件に残る違和感のナゾ「セクハラ報道」発覚後に家族会議「死んで生まれ変わろうと…」《猿之助さんは罪に問われるのか?》」https://news.yahoo.co.jp/articles/c065dc5f1b0241375c770dc0b76e94902ad61abf


括弧で括られたですます体は「社会部記者」の言葉。


司法解剖の結果、両親の死因は、向精神薬を大量に摂取したことによる薬物中毒とみられています。また猿之助さんは事件当初、受け答えをするのも難しい状態でしたが、今では体調が回復し病院を退院。事件に至った経緯を語り始めています。

 まだ全容がハッキリしたわけではありませんが、猿之助さんは『死んで生まれ変わろうと家族で話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ』といった趣旨の発言をしているようです。『女性セブン』で猿之助さんの共演者やスタッフへのパワハラ・セクハラ疑惑が報じられたばかりで、その内容や対応を家族で話し合ったものとみられます。

 ただ、こうした発言内容から一家心中との見方がある一方、『両親が睡眠薬を飲んだ』という発言が、両親が自らの意思で飲んだことを指すのか、猿之助さんが飲ませたのか、そもそも誰が持ちかけて心中に至ったのかなど詳細はまだわかっていません。警察は今後も慎重に捜査していく方針です」

 猿之助さんは亡くなった両親と3人暮らしで、閉ざされた“家族会議”のなかでどのようなやり取りが交わされたのか、真相の解明は困難極まると予想される。猿之助さんが、罪に問われる可能性はあるのか。犯罪ジャーナリストの小川泰平氏*5は、「“家族会議”の中身次第でシナリオは大きく変わっていく」と解説する。

文春の記者は地の文で「 閉ざされた“家族会議”のなかでどのようなやり取りが交わされたのか、真相の解明は困難極まると予想される」と正当にも但し書きをしているが、「社会部記者」の方は「家族会議」の「真相」をあっけらかんと推測してしまっている!
小川氏のいう3つのシナリオ;

「まず1つ目は、猿之助さんが『無罪』のパターンです。猿之助さんの予想外に両親が睡眠薬を飲んで自殺。そして、それを発見した猿之助さんが悲嘆にくれて後追い自殺を試みたとします。この場合は、両親も猿之助さんも、お互いがお互いの意思で自殺しようとしているため、猿之助さんが罪に問われることはありません」

 次に想定されるのが、「自殺ほう助」と「自殺教唆」のケースだ。

「週刊誌の記事を見て、猿之助さんと両親が一家心中を図ったパターンです。例えば全員で死ぬことを決断して、『睡眠薬は自分が用意する』と猿之助さんが薬を両親に渡し、両親が自殺した場合、これは自殺ほう助に該当します。また、『自殺するしかない』と猿之助さんが両親にもちかけていた場合には、自殺教唆に該当します。これらはいずれも、猿之助さんが罪に問われるパターンになります。また逆に両親の方から、『生き恥を晒すな』と家族に自殺を持ちかけた場合には、両親に容疑がかかる可能性もあります」

 では、猿之助さんが殺人罪に問われることはあるのだろうか。

「可能性は低いと思いますが、酒などに薬を混ぜて両親を殺害した後に、猿之助さんが自殺を図ったケースです。ただ、仮に薬が無臭なものだとしても、大量の睡眠薬を無理矢理飲ませることは難しいと思います」

小川氏の持つ「疑問」「違和感」;

「両親の死には疑問がたくさんあります。まず薬での自殺は苦しみながら死亡するケースが多く、なぜあえてその手段を取ろうとしたのか…。

 また、発表によると、今のところ見つかった遺書は猿之助さんのものだけです。社会的地位を築いている段四郎さんであれば、兄の猿翁さんなど関係者に遺書を書き残すのが自然ではないでしょうか。

 さらに、両親は発見時にパジャマを着ていたということですが、こういった地位にある方が身なりを全く気にしないまま自殺することについても違和感があります。

 猿之助さんが首を吊っていたというのも、事前にマネージャーが自宅に迎えにくる時間を知っているなら、タイミングが遅いと思います」


こうした不自然な点以外にも、小川さんは動機についても疑問があるという。

「メディア関係者からは『猿之助さんはとにかく責任感が強い人』だと聞いています。出演している映画の公開が近くに迫っていましたし、歌舞伎の公演も真っ最中でした。関係者に迷惑がかかることを猿之助さんが知らないわけがありません。週刊誌の記事も自殺するまでの内容とは思えず、何がここまで猿之助さんを追い詰めることになったのか、原因がハッキリしません」