未放映？ - Living, Loving, Thinking, Again

Via https://nessko.hatenadiary.jp/entry/2023/01/12/110517

昨年12月の『東京新聞』の記事；

パリで盛況「男はつらいよ」全作品上映　フランス人はTORA－SANの姿に何を見た
2022年12月12日 12時37分

　寅とら年も残りわずか。フランスのパリ日本文化会館では、山田洋次監督の映画「男はつらいよ」シリーズ*1全作品を通年上映する海外初の試みが、終盤を迎えている。最新の「クールジャパン」文化とは対照的に古き昭和の薫りが漂う寅さんの言動を、パリっ子たちはどのように評価したのだろうか？（パリ・谷悠己）

◆「フランス人に、ここまで受け入れられるとは」
　「本当に集客できるか企画段階では、半信半疑でした」。エッフェル塔の至近にあり、渥美清さん演じる車寅次郎の写真が壁面を覆い尽くしているパリ日本文化会館の担当者が振り返る。
　日本映画の人気が高いフランスだが、かつて「男はつらいよ」作品が単発上映された際は、低調に終わったという。それでも「新型コロナウイルス禍でふさぎがちな世の中を寅さんに明るくしてもらいたい」との同館側の熱意が響き、松竹映画から寅年に合わせたシリーズ上映が許可された。
　ふたを開けてみると、各作品とも定員280席の半数～8割が埋まり、同館で行われた他映画のシリーズ上映にはなかった盛況ぶり。来館者は仏人客が約6割と日本人客を上回り、担当者は「フランス人に、ここまで受け入れられるとは予想外だった」と話す。
　「登場人物がウイットに富み、魅力的」「幸福も問題もある、日本の一般市民の本物の日常に浸ることができたのは幸せだった」。仏人来館者へのアンケートでは高評価が並ぶ。
　第6作「男はつらいよ　純情篇」（1971年）を鑑賞した経営コンサルタントのヌシャ・サンマルタンさんは「主人公の言動には少しイラッとさせられるところもあったが、60～70年代の日本を旅しているようで楽しかった」と話した。

◆山田洋次監督も「長年の仕事が報われた」
　半信半疑の主催者側と違って、成功を確信していたフランス人もいる。仏語書「山田洋次の見た日本」を著した日本通のジャーナリスト、クロード・ルブランさん（58）だ。
　コロナ禍による都市封鎖（ロックダウン）中に隣人らを連日、自宅に招いて独自の上映会を開催。日本と縁がないにもかかわらず、気に入って何作も見続けた隣人らは、一様に「高いコメディー性と同時に深い人間性を感じられる点」を評価していた。日本文化会館での上映会に通うたびに来館者とも意見交換したが、隣人らと同じ感想を多く耳にした。
　パリでのシリーズ上映の成功を伝えた際、ルブランさんが個人的に親しくしている山田監督は「長年の仕事が報われた」と、感極まった様子だったという。
　ルブランさんによると、江戸―明治期に万博を通じて急激に高まったフランス人の日本趣向はいったん収まった後、漫画やハイテク文化へのあこがれが80年代ごろから現在まで続いている。「その空白期間を埋める『知られざる日本』が描かれている点が、多くの仏人をひきつけているのではないか」。ルブランさんはこう分析している。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/219182

ところで、リチャード・ギア *2が寅次郎を演じたCMは仏蘭西では放映されなかったのか？
2012年の『シネマトゥデイ』の記事；

『男はつらいよ』効果？リチャード・ギア出演CMでおなじみオランジーナが大ヒット
2012年4月18日 18時46分

　ハリウッド俳優のリチャード・ギアが『男はつらいよ』シリーズの主人公寅さんにふんしたオランジーナのCMが話題になっている。販売元のサントリーによると、同CMの効果は絶大で、販売4日目で年間目標の半分である100万ケースの出荷を達成したとのこと。
　オランジーナは、1936年に誕生して以来愛され続けているフランスの国民的炭酸飲料。日本の国民的映画と言えば『男はつらいよ』ということで、同作をフランス版にした「ムッシュはつらいよ」CMが誕生した。「TORA」役には世界中で愛されているリチャード・ギアを起用。『男はつらいよ』シリーズの山田洋次監督は同CMのテスト撮影にも参加したといい、本家公認の「TORAさん」になっている。
　昨年2011年は、山田監督が『二階の他人』で初監督を務めてから50周年という記念の年。さまざまな『男はつらいよ』関連のイベントが行われるとともに、寅さん風ファッションが“寅カジ”として女性ファッション誌で取り上げられるなど、今までのファンとは違った層からも注目されるようになっていた。そして今回、オランジーナに勢いをもたらしている「TORAさん」。寅さん旋風はまだまだ続きそうである。（編集部・市川遥）
https://www.cinematoday.jp/news/N0041292