「文旦飴」

ボンタンアメでよみがえる幼き日の情景 映画でも表現したい 山下敦弘さん」http://www.asahi.com/and_M/living/SDI2016100793871.html


山下敦弘*1曰く、


子供の頃のおやつといえば、このボンタンアメ。本社がある、鹿児島の親戚がよく送ってくれました。オブラートに包まれているから、全部食べ切っちゃうと救急箱からオブラートを出して、なめていましたね。

 アメと書いてあるけど、餅ともグミともつかないモチモチの食感が独特。柑橘(かんきつ)系だからさっぱりしているのかと思いきや、意外とこってり。甘くて濃い味が口の中に残るんです。

 味もパッケージのデザインも変わらない。似た風味のお菓子は他にもあるけど、これはロングセラーでしょ。映画でいうと「男はつらいよ」かな。いつも期待を裏切らない定番です。

 食べると幼い頃に住んでいた家や町の風景がよみがえってきます。映画は味や、においを再現できないけれど、そんな懐かしい味が昔の記憶を呼び起こすような感覚を、画(え)と音で表現したいですね。

千葉県だったけれど、「ボンタンアメ」は子どもの頃、普通にそこらのスーパーとかで買えた。なので、特に「鹿児島」のものだとは感じなかった。パッケージにも、「鹿児島」ではなく「南国特産」と書いてある。「柑橘(かんきつ)系だからさっぱりしているのかと思いきや、意外とこってり。甘くて濃い味が口の中に残るんです」。要するに、酸味が目立たず、糖分が前面化している。紺と黄色のコントラストが印象的なパッケージ。それが今も続いているということは、或る種のontological securityを喚起する。
「ボンタン」という名を巡って;

原生地は東南アジア・中国南部・台湾などであり、日本には江戸時代初期に渡来した。漢字をそのままに音読みしているが、本品の貿易船主である謝文旦という人名の潮州語読み(ジアブンタン、zia bhungdang)に因む*2。果肉が淡い黄色の品種(白欒)を文旦(ブンタン)、果肉が赤い品種(朱欒)を謝文(ジアブン)と呼び分けたとも言われる。ザボン第二次世界大戦前にはジャボンと呼ばれるのが一般的で、ジアブン、ジャボン、ザボンと変化したと考えられる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%B3
そういえば、Wikipediaによれば、ボンタン(ブンタン[文旦])は鹿児島県ではなく寧ろ高知県の特産なのだった。
また、私の世代だと、「ボンタン」というと、ザボンよりも(現在謂うところの)ヤンキーが好んだ*3ズボンを思い出すという人も少なくないのでは?*4

*1:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090618/1245330417 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100316/1268711438

*2:ブンタン」がどういう経緯で「ボンタン」へと訛っていったのかについての説明がないね。

*3:一応過去形にしたけれど、現在形でも通じるのだろうか。

*4:See eg. http://www.k-koso.com/products/list.php?category_id=5