「日本で一番洒脱な男」

山田詠美*1「マジカル結婚式ナイト」『毎日新聞』2022年3月27日


景山民夫*2山田詠美山台詠美の最初の結婚式で「祝辞」を述べた*3


景山さんは、私が思う日本で一番洒脱な男だったが、いかにも軽い感じに御自分を演出して、その実、真面目過ぎたのかもしれない。
宗教に傾倒して行くにつれ、疎遠になってしまった。けれども、後に私は「普通の生活」という彼の文庫解説を書いたのを非常に喜んでくれ、長い手紙をいただいたのだった。美しい字だった。パートナーのトモコさんも一緒に、またごはんを食べようとあったが叶わなかった。景山さんは、自宅の火災に巻き込まれて亡くなってしまった。
葬儀場から柩が運び出される時、うんと親しかった人が、「また焼くのか……」とぽつりと呟いたそうだ。それを聞いて、泣いていた周囲の人たちは、思わずふき出してしまったという。不謹慎だろうか。
私は、ここで生まれた泣き笑いことこそユーモアだと思う。笑いをこよなく愛した景山さんらしい。
ここでいう「宗教」とは言う迄もなく幸福の科学である。
さて、現在幸福の科学学園*4で教えられている日本文学史において景山民夫は如何様に位置付けられているのだろうか?