活躍する馬渕

古谷経衡*1「「プーチンさんを悪く言わないで!」という”陰謀論”動画の正体」https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20220304-00284877


プーチン擁護で活躍する馬渕睦夫*2。篠原常一郎なる「元日本共産党員」も関わっている。
これは、〈トランプ―プーチン・コネクション〉*3にも関わっているね。日本におけるプーチン痔舐め分子とJアノン*4というのはかなり重複しているのではないだろうか?
さて、この古谷氏のテクストには懐かしい人名が登場している。グラハム・ハンコック! かつてはあの『ブルータス』でも特集を組んでいたのだった。


かつてグラハム・ハンコックは、『神々の指紋』の中で、エジプトの三大ピラミッドはオリオン座の三ッ星の模倣であり、さすれば三大ピラミッドはその模倣から計算すると、約1万2千年前の超古代文明の人々が造ったのだと推定して、この本は世界的に大ベストセラーになった。

 その推定を補強するために、ピラミッドの底辺の長さとか、その他の数値をいろいろとこねくり回してみると、地球の直径や半径等と近似している、という話になり、そのような高度な設計を行える文明は古代エジプト王朝ではなく、もっとはるかに進んだ超古代文明の仕業に違いないと踏んだ。無秩序に見える出来事や数値を、恣意的に選定してこねくり回せば、あらゆる無関係な物事の中に、「何か普遍の法則」というのが見つかる。しかしそれは普遍の法則などではなく、ただの偶然か都合の良い事実の歪曲である。

 世界の出来事を見て、恣意的な部分だけを抽出すれば、それがDS、ネオコンユダヤ系のせいだと結論づけることは、たやすいのである。しかしこう反論しても、陰謀論者は決して納得しない。ハンコックの『神々の指紋』には巧妙な逃避地が準備されていた。三大ピラミッドを超古代文明が造ったというのなら、その超古代文明とやらの本拠地はどこなのか。必ず遺跡があるはずだ、という反論をかわすために、『神々の指紋』の結論は、超古代文明の本拠地は南極にあるとしている。

 分厚い南極の氷床を全部溶かしてみないと、それが嘘だと完全に証明することはできない。DSの本拠地は無く、課題に応じて仲間がどこかで集まっている、と主張されれば永遠にそれが嘘であることの完全証明はできない。陰謀論者に対し、ファクトでの反撃はあまり意味はない。重要なのはそれが陰謀論である、と言い続けることだ。

古谷氏は昔の馬渕を知っているのだという。これも貴重な情報;

 馬渕氏のデビュー作は総和社(現在では出版事業を行っていない)から刊行された『いま本当に伝えたい感動的な「日本」の力』(2012年2月)で、こちらは商業的には平凡に終わったが、同じ総和社から出た同氏2冊目の著作『国難の正体―日本が生き残るための「世界史」―』(同年12月)がかなり版を重ねたことで、一躍馬渕氏は保守論壇で頭角を現したのである。

 私は同社から、翌年『ネット右翼の逆襲』という本を出した。この本は私の4冊目の単著で重刷されたのだが、この本の担当編集者A氏が馬渕氏と同じ担当編集だったので、何度か馬渕氏にお会いする機会があった。物腰の柔らかい、極めて紳士的な好々爺という印象があった。私と馬渕氏の邂逅は、このA氏がブリッジしたのである。

 いま、氏の『国難の正体』を読み返してみると、「東西冷戦も朝鮮戦争ベトナム戦争も、米ソが結託した演出で、つまりプロレスであり、実際は世界的な闇の勢力が背後におり、彼らが脚本を書いていた」という趣旨の事が書いてあった。流石にこの時期、DSという言葉は出てこないが、最初から良くない意味で首尾一貫している。

因みに、DSというのはDeep State(「ディープ・ステイト」*5)のこと。DSという略語を使う人には近づかない方がいいという警告もある。