殺される猫たち

Abema TIMESの記事;


“皮膚が剥がされる”など、相次ぐ猫の虐待 田中康夫氏「無責任な飼い主撲滅のため“ペット税”の導入を」
6/4(火) 11:01配信 AbemaTIMES


 山口県下関市で3月上旬から4月上旬に掛け、皮膚が剥がれた状態の猫が相次いで見つかった。人為的なものであるかどうかは分かっていないが、「虐待の可能性がある」と近所の人から相談を受けたボランティアの女性がこれまでに10匹を保護しているという。この件に関して、2日にAbemaTVで放送された『Abema的ニュース』で議論が行われた。

 13年間、暮らしを共にする猫がいるという愛猫家で文筆家の古谷経衡氏*1は「獄門にすべき」と怒りを露わにする一方で欧米の例を挙げて「イギリスなどではアニマルポリスといって動物虐待専門の警察官がおり、ボランティアとは異なって逮捕権を有する。ところが日本ではせいぜい動物愛護法違反。さらに日本の法律的にペットはモノ扱いになるので、飼い猫に万が一の事態が起こった場合でも、民事で賠償請求するくらいしかできない。日本でもアニマルポリス的な組織をつくって、即逮捕できるようにすべきだ」と私見を述べた。


 元長野県知事で作家の田中康夫*2は「移民の方や障害のある方など、自分より弱いものをイジメる傾向がある」と昨今の社会的風潮に言及すると、「車でも購入する際は税金をとられるのだから、猫や犬などのペットもICチップを入れて管理すべき。そうでなければ、『要らないから捨てる』といったポイ捨て感覚の飼い主はいなくならない」と主張した。

 「動物虐待は、大きな事件の前兆事案になるケースが多い」と元刑事の視点で持論を展開したのは元埼玉県警捜査一課刑事の佐々木成三氏だ。佐々木氏は「虐待を覚えてこういった行為を繰り返すと、何かストレスを感じた時、自分の選択肢の中にある『虐待』を選んでしまう傾向が強い。小さな事案から大きな犯罪の芽を摘んでいくことは大事なことだ」と話した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190604-00010004-abema-soci

たしかに「獄門にすべき」という主張にも納得してしまうようなインパクトの強い事件なのだが、一般的な傾向として、実際にこのような酷い動物虐待は増えているのだろうか。増えているとしたら、社会問題化されて然るべきだろうし、一般的な増加傾向は認められないということなら、話は昔から残酷な奴は一定の割合でいた筈だ、ということになる。
田中康夫氏の主張は「飼い主」による虐待を抑制する効果はあるかも知れないけれど、最初に提示された下関の事件は、多分「飼い主」による暴力ではなくて、野良猫(所謂地域猫も含む)や他所の家の猫に対する暴力でしょう。
また、「動物虐待」と佐々木氏のいう「大きな事件」、特に人間相手の凶悪事件との関係*3はさらに検討が重ねられるべきだとは思う。
さて、『北日本新聞』の記事;

「猫50~100匹殺した」 富山の男性 保護団体にストレス発散と説明
6/6(木) 1:31配信 北日本新聞


 県内で飼い猫が何者かに連れ去られる被害が相次いでいる問題で、県内の保護グループなどが4日夜、猫を連れ去った可能性がある富山市の男性宅を訪れ話を聞いたところ、「1年以上前から50~100匹を連れ去って殺した」などと答えていたことが5日分かった。県警は動物愛護法違反などの疑いもあるとみて慎重に調べている。

 県内のボランティア団体「しっぽのこころ」(宇多利美代表)によると、5月末までに射水市富山市立山町で少なくとも5件以上、連れ去りの情報が寄せられた。いずれの現場でも富山ナンバーの軽乗用車、白の軍手を着けた男1人が目撃されたという。

 5月に飼い猫がいなくなった射水市の飼い主や同団体は4日夜、目撃情報などを基に、猫を連れ去った可能性がある富山市内の51歳という男性宅を訪問。「本当のことを話してほしい」と問い詰めたところ、1年以上前から猫を連れ去って殺していたこと、その数が50~100匹に上ることを認めた。

 同団体によると、男性は理由について「独り暮らしで誰とも会話できず、ストレス発散のためにやった」と説明。「苦労して捕まえたのにすぐに死んでしまったら面白くない」と猫を閉じ込めていたとし、死骸は「四方の漁港などに捨てた」と話したという。男性宅を訪ねた飼い主がやりとりを携帯電話で録画した。

 ただ、殺した場所や猫を傷つけた方法に関する話の内容が二転三転しているといい、同団体は「どこまで信じていいのか分からない」と困惑した様子だった。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190606-00128476-kitanihon-l16