古谷経衡*1「懐かしのサイト『シバタツの野望』と『虚構新聞』には遊びと余裕があった」http://bunshun.jp/articles/-/8507
これも「インターネット老人会」特集の一環*2。
曰く、
「懐かしのサイト」として言及されているのは、2005年に閉鎖された『シバタツの野望』と『虚構新聞』。ただ、『虚構新聞』は1998年には存在していなかった。創刊は2004年。勿論、現在も健在。
西暦1998年。日本は山一証券や長銀や拓銀が潰れて「そろそろヤバイ感」が漂っていたが、そんなことに関係なく私は高校2年生で童貞であった。この時代を語るとき、必ずケータイと女子高生の援助交際がリンクされるが、少なくとも私の周辺に援助交際をやっているJKは存在しなかった。私は人口170万人を超える政令指定都市の真ん中で育ったが、ケータイで援助交際をやっているJKというのは、一種の東京幻想に近く実感は無い。
当時インターネットは通信速度の関係上、完全に文字の文化であった。家庭にISDNを導入しているのはブルジョワかオタクか変人であった。2001年を過ぎてようやくYahoo! BB(現在のソフトバンク)が街中でモデムを無料で配ってブロードバンド時代がやってきたが、歩みは遅かった。
そういうこともあったのね。たしかに、『虚構新聞』のドメイン名(kyoko-np.net)というのは『京都新聞』*5と紛らわしいことは事実だけれど。ところで、『ボーガスニュース』というのもあって*6、寧ろこっちの方がはてさ公認のお笑いだったわけだけど、2013年を最後に更新が止まっているのね!
一番変わったのは受け手だ。ここ数年、『虚構新聞』が発する嘘ニュースを本当に真剣に信じて拡散する人が居るというから驚愕する。東京23区全体にドームを張ってエアコンをつけるとか*3、そういった一瞬で「馬鹿な」と思うニュースを何の躊躇いも無く「税金の無駄だ!」と怒り狂う人が居るという。ちょっと前に話題になった「国際信州学院大学」*4の件も全く同じ構造だ。ギャグが通じない。ケタケタと遠くから世の中を斜めに見て嗤ってやろう、というウィットが全く通じないのである。嘘を嘘と見抜く基礎的センスや教養が欠如しているのだ。
*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180611/1528656212 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180713/1531445468 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180817/1534514850
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180928/1538106709
*3:「東京23区、全面ドーム化へ エアコン完備「全天候型都市」目指す」http://kyoko-np.net/2018071901.html
*4:https://kokushin-u.jp/ See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180515/1526363020
*6:http://bogusne.ws/ Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100507/1273203194