棚部秀行*1「AIが考える人間の孤独」『毎日新聞』2021年3月13日
『クララとお日さま』*2を巡るカズオ・イシグロへのインタヴュー記事。
[ノーベル文学賞]受賞後の第1作は、人工知能(AI)をテーマにしたSF的作品。遺伝子操作の技術が進んだ近未来を舞台に描いた。子供のために開発されたロボット「人工親友」の「クララ」と、病気がちな少女「ジョジー」とその母親、友人との日々を描く。AIにより急速に学習していく「クララ」の目を通し、人間社会が本質的に抱える問題、人間と科学技術の関係について問うている。
「AIを中心に据えることによって、人間のあり方にフォーカスできるのではないかと考えました。『クララ』は人間の孤独について常に考えます。孤独が人間の基本的な要素ではないかと考え続けています」。
長崎県出身の日系英国人。5歳の時、英国へ渡った。15歳になるころまでには、帰国する予定で育ったという。「私の中に日本人的な感情があるのは間違いない」と語った上で、本書のラストについて「小津安二郎の映画の感じに非常に似ていると思う」と述べた。青年期から日本映画に親しみ、現在、黒澤明監督の「生きる」(1952年)*3の英語版の脚本に取り組んでいる。
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20091029/1256816455 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/01/25/150811 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/02/19/125524
*2:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/06/02/143146
*3:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20101127/1290832882 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180720/1532109705 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180824/1535075148 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/01/28/095616