「曖昧さ」故

牧野宏美「ムーミンの物語 誕生秘話」『毎日新聞』2020年11月28日


曰く、


ムーミン*1がこれほど読み継がれているのはなぜだろう。
横川さん*2の考えはこうだ。
「どこか『曖昧さ』があって、物事をはっきりと決めつけない。それが魅力だと思います。多様なキャラクターが出てきて、疎まれるキャラクターも時にはすごくいいところが描かれて、全てを否定しない。ムーミン谷は誰でも受け入れ、出ていく時も引き留めない、とても生きやすい場所です。それはトーベの母がモデルというムーミンママの存在が大きいですね」
そしてこう続けた。「何度も読んでいるはずの編集者ですら、『あれ?』と新たな発見をすることがあります。つまり、その時の自分の精神状態を測るバロメーターにもなるのです」