外山滋比古

NHKの報道;


「思考の整理学」外山滋比古さん死去 96歳
2020年8月6日 18時06分


若い世代を中心に40年近く読み継がれている「思考の整理学」の著者として知られる英文学者で、お茶の水女子大学名誉教授の外山滋比古さん*1が先月30日、胆管がんのため東京都内の病院で亡くなりました。96歳でした。

外山さんは大正12年に愛知県で生まれ、雑誌の編集に携わったあと、お茶の水女子大学昭和女子大学などで教べんを執りました。

シェークスピアなど専門のイギリス文学にとどまらず、日本語や教育など幅広い分野で独創的な視点から数多くの評論を残しました。

中でも昭和58年に刊行した「思考の整理学」は物の見方や考え方、アイデアの生み出し方などをみずからの体験を基に明快に示して、若い世代を中心に40年近く読み継がれ、版元の筑摩書房によりますと、今も大学生協の書籍ランキングに名を連ねるなど、累計の販売部数がおよそ250万部のロングセラーとなっています。

また、ことばについての優れた見識をもとに放送用語の改善にも力を尽くし、平成7年にはNHK放送文化賞を受賞しています。

外山さんは90歳をすぎても精力的に執筆活動を続けてきましたが、家族によりますと、ことしに入って入退院を繰り返し、先月30日、胆管がんのため東京都内の病院で亡くなりました。96歳でした。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200806/k10012554611000.html

外山氏は、私の前には先ずクライド・クラックホーン『文化人類学の世界』の訳者として現れた*2。(実は)外山氏の文学論は『省略の文学』くらいしか読んでいないのだけど(汗)、コミュニケーション論や修辞学やテクスト論においてかなり重要な仕事をしているんだよね。その重要性は、例えば故佐藤信夫*3にも匹敵するのでは? 考えてみれば、何故私が外山氏の作品に親しんで来なかったのか、とても不思議ではある。それは私の怠惰とセンスの悪さゆえにほかならない。さて、私は外山氏とは意外なところで接点を持っていたのだった。外山氏のお嬢様は社会心理学者で、私が大学3年の頃、非常勤として出講されていた。勿論、ご本人が父親のことを言及したということはなかった。9月頃から、あの外山先生って外山滋比古の娘なんじゃないの? という噂がじわじわと広がり始めて、別の先生に確認したら、やっぱりそうだということになった。

*1:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%B1%B1%E6%BB%8B%E6%AF%94%E5%8F%A4

*2:この本の内容とは関係ないけど、記憶に残っているのは、半分くらい読み進めてから、10頁くらいの落丁があることが発覚したこと。本屋にクレームをつけて、交換してもらった。

*3:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20080106/1199634443 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20101213/1292269811 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170223/1487859302 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/21/092353