「喫茶店」の危機?

共同通信の記事;


茶店の倒産、最多に迫る
大手チェーンやコンビニ攻勢

2019/9/28 09:58 (JST)9/28 09:59 (JST)updated



 喫茶店の倒産が2019年、過去20年で最多に迫るペースで推移していることが東京商工リサーチの調べで28日までに分かった。大手コーヒーチェーンやレジ横で入れたてを提供する「コンビニカフェ」の攻勢、タピオカドリンクの流行など消費者の好みの多様化も響く。消費税増税で軽減税率の対象外となったことも追い打ちで、苦境に拍車が掛かる恐れもある。

 「近所の喫茶店が次々と店を閉めている」。大阪市で30年以上喫茶店を経営する堀敬治さん(72)は肩を落とす。08年のリーマン・ショックを機に売り上げが落ち込んだ経験もある。10月に飲み物を10円値上げする予定だ。
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「 近所の喫茶店が次々と店を閉めている」というけれど、そもそもうちの近所には既に「喫茶店」はそんなにない。
私の認識と記憶では、「喫茶店」の危機というのは先ず1980年代半ばに起こった。ドトール*1が攻勢をかけて、小さな喫茶店がかなり淘汰された。そして、間もなくバブルに突入すると、都心の不動産価格や家賃が上昇し、1杯数百円の珈琲を売るのは割りが合わないという話になった。バブルが崩壊すると、経済的な理由で、ドトールなどのセルフサーヴィスのチェーンが好まれるようになり、相対的に1杯の値段が高い従来型の喫茶店は敬遠されるようになった。スタバやタリーズのような国際的なチェーンが日本に進出するようになったのは1990年代後半のこと。これらの外国勢を脅威に感じたのは従来型の喫茶店というよりはドトールなどの日系のチェーンだったのでは?
今年に入って一体何が起きたのか。「リーマン・ショック」のあった2008年や311のあった2011年に匹敵する何が?
数年前からカフェの世界ではサード・ウェイヴということが言われており、スタバなどもそのトレンドに乗ろうとしている*2。このサード・ウェイヴというのと日本式喫茶店というのはけっこう通じるところがあるのではないだろうか。珈琲豆の産地やクォリティ、焙煎や淹れ方へのこだわりなど。
また、喫茶店で厄介なのは喫煙者の扱いだろうね。喫茶店は煙たいということで行くのを躊躇する嫌煙者は多い。そうでなくても、子ども連れでは生きにくい。他方、少なからぬ喫茶店がスモーカーの避難所として機能しているということはあるんじゃないだろうか。嫌煙者に配慮するとスモーカーは去ってしまう。スモーカーに配慮すれば嫌煙者や子供連れは来ない。煙草を巡って、喫茶店ダブル・バインドに追い込まれていることになる。
ところで、サテンというのは既に死語だろうか。