安藤健二「梅原猛さん死去、93歳。日本の古代史に大胆な仮説を展開した「知の巨人」」https://www.huffingtonpost.jp/2019/01/13/umehara-takeshi_a_23641514/
哲学者の梅原猛氏*1が他界したという。法隆寺論に始まる所謂「梅原日本学」は実証的な批判の十字砲火を浴び、既に満身創痍といっていいだろう。なので、今更「梅原日本学」を批判したり、逆に「大胆な仮説」を持ち上げたりするよりも、何故哲学者は歴史家、狭義の思想史を超えた文化史・文明史の歴史家になりたがるのかという問いを立てた方が有意義なのかも知れない。歴史家になろうとした哲学者というのは梅原氏だけではない。
最初に読んだ梅原氏の本は中公新書から出ていた『地獄の思想』*2。これは、仏教が「極楽」観念ではなく「地獄」観念によって如何に日本文化に深みを与えてきたかということが説得的に論じられているなと思った。
- 作者: 梅原猛
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1967/06/01
- メディア: 新書
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*1:See eg. http://www.town.minamichita.lg.jp/main/syakyou/umehara/umehara_top.html also https://sumita-m.hatenadiary.com/archive/2005/06/02 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070918/1190118272 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20080306/1204779649 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20091120/1258696685 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20100416/1271449256 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110829/1314543718 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180409/1523247868
*2:その前に、梅原氏が校訂した『歎異抄』を読んでいるのだけど。