梅原猛

安藤健二梅原猛さん死去、93歳。日本の古代史に大胆な仮説を展開した「知の巨人」」https://www.huffingtonpost.jp/2019/01/13/umehara-takeshi_a_23641514/


哲学者の梅原猛*1が他界したという。法隆寺論に始まる所謂「梅原日本学」は実証的な批判の十字砲火を浴び、既に満身創痍といっていいだろう。なので、今更「梅原日本学」を批判したり、逆に「大胆な仮説」を持ち上げたりするよりも、何故哲学者は歴史家、狭義の思想史を超えた文化史・文明史の歴史家になりたがるのかという問いを立てた方が有意義なのかも知れない。歴史家になろうとした哲学者というのは梅原氏だけではない。
最初に読んだ梅原氏の本は中公新書から出ていた『地獄の思想』*2。これは、仏教が「極楽」観念ではなく「地獄」観念によって如何に日本文化に深みを与えてきたかということが説得的に論じられているなと思った。

地獄の思想―日本精神の一系譜 (中公新書 (134))

地獄の思想―日本精神の一系譜 (中公新書 (134))

さて、知人で、きへんとさんずいを取り違えて、梅原猛のことを何時もカイバラタケシと呼んでいた人がいたのだった。