分身の術

青山学院大学の「地球社会共生学部」 文科省への申請と異なる実態に指摘」http://news.livedoor.com/article/detail/11381975/


曰く、


青山学院大が昨年4月に新設した「地球社会共生学部」(GSC)でまた騒ぎが起きている。1年次の選択科目「アカデミックイングリッシュ」の昨年度分の講義をたった1人の教員が担当していたというのだ。同曜日・同時限に5コマ、しかも通年である。1人で5つの教室を行き来するのか。くまモンとかふなっしーじゃあるまいし、あり得ない話である。

「今年1月、阿部知子衆院議員(現民進党)が英語授業の外部化について政府に質問主意書を提出した際、大学名を伏せて問題事例として取り上げたのがきっかけです。文科省に新学部設置を申請した際の計画と実態が異なると指摘されたのです」(永田町関係者)

 青山学院は「事実ではありません」(広報部)と回答したが、講義内容検索を試しても教員の名前は1人しかヒットしない。「実際の授業は英会話学校の講師に任せている」(教育関係者)ということらしい。

「また騒ぎが起きている」って、その前は何時どんな「騒ぎ」が起きたのか。でも、青学が、Ninjaが教えている、Ninjaは分身の術ができるのだと答えていたら、国際的にはうけたのではないかと思った。留学生も沢山来るぞ*1。でも、留学生に必要なのはAcademic EnglishというよりAcademic Japaneseだろうとか、分身の術を英語でいう場合art of body-multiplicationでいいのだろうかとか、思った。また、数か月前に須賀敦子さんの「分身」についての文章(「『インド夜想曲』と分身」[in 『塩一トンの読書』])に言及したことも思い出した*2
インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

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さて、

大学ジャーナリストの石渡嶺司氏*3が言う。

文科省は毎年実施するアフターケア(設置計画履行状況等調査)で運営状況をチェックしています。問題がある大学は指導を受けた上でHPで公表されますが、大半がいわゆる(偏差値の低い)Fランク大学。GSCのケースが事実だとしたら、青学クラスの伝統校でもそこまでやらかすのか、という印象です」

 そもそも、GSCは船出から大荒れだった。都心回帰の流れで文系学部を渋谷キャンパスに集約すると、相模原キャンパスがスカスカに。それで、GSC新設に動いたものの、既存の国際政治経済学部とカラーがカブることから学内からも新設には反発が強かった。反対派の教授が大学らを相手取り、新学部設置無効を求めて東京地裁に提訴する騒動にまで発展した(今年2月に取り下げ)。

「スカスカに」なった「相模原キャンパス」。田舎より田舎だ! と地方から出てきた新入生が吃驚したというところか。でも、1970年代から80年代にかけて、どの大学でも憑かれたかのように推進された(少なくとも検討された)郊外への移転って何だったのかを検証してみるのも無意味ではないだろう。