清水和子さんからCSF-MLへのメッセージ;
日本英文学会関東支部「学術書翻訳者育成」ワークショップ 第7回・第8回「Untranslatable lightness of density―濃密さの翻訳不可能な軽さ」
●第7回 2月17日(土)14時〜17時 法政大学市ヶ谷キャンパス55年
館564教室<文化>を翻訳すること
神林豊・小林浩(以上、月曜社編集者)+毛利嘉孝・鈴木慎一郎・清水知子第1部 月曜社という翻訳プロジェクト
G・C・スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』(上村忠男・本橋哲也訳、20
03)、サミュエル・ウェーバー『破壊と拡散』(野内聡訳、2005)など、
文化研究やポスト植民地研究の分野で積極的な学術書刊行をつづけ、出版業界で
注目を集めつつあるインディペンデントの出版社、月曜社。その編集者二人を迎
えて、訳書刊行までの実務の過程をうかがうとともに、<文化>の翻訳はいかに
なされるべきかについて議論する。第2部 『ブラック・アトランティック』への/からの航海
2006年刊行の翻訳思想書のなかでもひときわ注目を浴びたポール・ギルロイ
『ブラック・アトランティック』の翻訳について、編集者と翻訳者が、それぞれ
の作業に伴った苦楽を語る。編集者が月曜社独自の翻訳チェック体制を明かす一
方で、翻訳者は、翻訳という精読を行ったものだけが知るギルロイの英語に仕掛
けられたたくらみを論じる。●第8回 3月16日(金)14時〜17時 青山学院大学渋谷キャンパス11
70教室「ギルロう」―翻訳の軽やかな濃密さについて
小笠原博毅・鈴木慎一郎・清水知子ギルロイの著作は、ポップ・カルチャー、文学、思想、歴史、音楽などさまざま
な領域が交響しあう文化の場である。彼の英語が難解と言われるのはなぜだろう
か、そもそもなぜこうしたスタイルを選んで/になっているのだろうか。課題箇
所をはじめ、英語の知識だけでは理解が難しい彼のテクストにひそむ数々の秘密
を、受講者の皆さんと探偵のごとく読み解きながら、翻訳の面白さ=難解さにつ
いて考える。「ギルロイ」を文字テクストのみの世界から解放し、映像あり、音
楽ありの空間のなかで、文化と翻訳の世界を縦横無尽に語りながら、とことん
「ギルロってみよう」!(課題翻訳を提出していない方も参加歓迎)参加費:各回500円、事前登録不要、課題翻訳提出希望者は2月17日に持参の
こと。
課題英文:Paul Gilroy, After Empire(Routledge, 2004)=Postcolonial
Melancholia(Columbia UP, 2005) のCosmopolitanism and the Planetary
Mentalityのセクション全体 [After Empireではp76-79, Postcolonial
Melancholiaではp69-71]詳細は関東支部HP http://elsj.org/kanto/を参照。