片仮名表記

安田(ゆ)さんが韓国語の片仮名表記について書かれている。私は韓国語はよくわからないが、ともかくややこしそうだ。
実は韓国の人名が片仮名で表記されていることについては、違和感を持っている。正直なところ、東亜細亜人なのだから、漢字表記して、マンダリンだろうが、日本語だろうが、広東語だろうが、ヴェトナム語だろうが、それぞれ好きに読めばいいじゃんとも思う。韓国人が韓国語の音に拘りを持っているらしいことは察せられるのだが。例えば、伝統的に使われてきた「漢城」に替えて「首爾」にするよう中国に要請するといったことも、その表れだろう。
というか、片仮名という文字に違和感を持っている。一言でいって、使えない字である。外国語、例えば英語とかマンダリンの音を正確になぞることができないのは勿論のこと、日本語の方言の音だって、なぞることはできない。東北の人が「私」と呼ぶ。訛りを強調するときに、最後の音節は「ス」と表記されることが多いが、よく聴けば、それは「ス」でも「シ」でもないことは明らかだろう。さらにいえば、検索の問題がある。片仮名表記された外国の人名とか地名をサーチ・エンジンにかけても、当然ながら、引っかかるのは日本語の頁だけである。世界の多くの言語はローマ字表記されているので、片仮名によって引き寄せられる情報は限りなく限定されることになる。唐突かもしれないが、片仮名というのは、日本人を日本語或いは日本というネーションの中に引き籠もらせるよう作用しているのである。
だから、メディアは使えない片仮名表記に拘るよりは、その社会で通用しているローマ字表記を付記せよということになる。