永六輔の言葉その他

 永六輔*1ということで、思い出したのだが、永さんの言葉で紹介したいものがある。といよりも、著書のタイトル。『死にはする、殺されはしない』。1970年代後半か。版元はたしか「話の特集」。ちょうど、〈尺貫法擁護〉運動を壮んにやっていた時期。
 〈勝ち組〉だ〈負け組〉だというのが喧しい昨今、この言葉は復活に値すると思う。
 そういえば、Matzmt MaskeeさんのBlog*2は『Life is Survival』である――「だからあなたも生き抜いて/難儀なこの世界で、あなたもわたしもサバイバル」。
 ところで、surviveという動詞で、死亡記事などではよく、故人の遺族を記述するために、受動態で使用される用法で、日本語にどう訳していいのかわからないのだが、〈遺される〉といった意味の遣い方がある。Left alone. それを考慮すると、surviveとは、私が日々、時々刻々、環境との差異を維持し続けることであるとともに、日々、時々刻々、重要=有意味(significant)なものを喪失し続けることだともいえる。Peter Gabrielは”Life carries on.”と歌っている(”I Grieve”)。そういえば、PG(featuring Kate Bush)の”Don’t Give Up”は、そのタイトルから想像して、〈頑張れ〉を想像してはならない。