忘れられた女優

梶原明奈「戦地で新たに発見された写真 身元をたどって【追記あり】」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240813/k10014543221000.html


太平洋戦争にて、パラオアンガウル島で戦死し、米軍によって埋葬された日本軍兵士が身につけていたシガレット・ケースから、女性の写真が出てきた。その女性は誰なのか? この記事に関ったNHK関係者、自衛隊関係者、考古学者らは彼女が誰かはわからなかった。しかし、記事がアップロードされるや否や、多くの人が件の女性は女優の水戸光子であると指摘しており、上掲の記事もその旨の「追記」がある。水戸光子に辿り着いた人の中には、全く映画についての知識がなく、ネットの画像検索でわかったという人もいたようだ。そういえば、上の記事で、最も安易な調査方法であろうネット検索は全く行われていなかったのだった。
私にとっては、水戸光子*1というのは昔そういう人気女優がいたという噂の人でしかなかった。戦前・戦中の出演作の量は凄いものだし、戦後も1960年代に至るまで、出ずっぱりの感がある。1970年代に入ると、体調を崩したのか、急に映画に出なくなり、1981年に享年62歳で息を引き取っている。現在の感覚からすれば若死といえるだろう。最後の出演作となったのは山本薩夫の『戦争と人間』三部作*2
小針侑起氏曰く、