Thorの地

石川県金沢市*1が雷の多発地帯だということは知らなった。
2020年11月の『中日新聞』の記事;


【石川】落雷 日数 金沢1位、富山4位 火災誘発 北陸切実    
2020年11月14日 05時00分 (11月14日 10時20分更新)



 冬に落雷が多く発生する北陸。石川県白山市で今月四日、落雷が原因とみられる火災で民家が全焼し、八十七歳女性が亡くなった。気象庁によると、二〇一〇年までの過去三十年間に金沢市で雷が観測された年間平均日数は四二・四日と全国一位。落雷による火災から身を守るにはどうすればよいのか。 (吉田拓海)


避雷器 ブレーカーなど対策を

 雷日数は気象台の職員が観測した場合に認められる。全国の観測地点のデータでは、全国二位は福井市(三五・〇日)、四位は富山市(三二・二日)と北陸が上位に並ぶ。
 金沢地方気象台の説明では、冬の北陸に雷が多いのは大陸から吹く冷たい風と、日本海を流れる対馬暖流の温度差が大きく開くことが理由の一つ。北アルプスや白山(二、七〇二メートル)の山岳地帯も、海側からの風がぶつかると上昇気流を起こす原因になる。雷を生み出す積乱雲(せきらんうん)が発生しやすい条件がそろっている。
 総務省消防庁によると、一九年までの過去五年に全国で発生した落雷による火災は平均して年間百八十五件。石川、富山両県ではほぼ毎年発生している。
 白山市の火災の出火原因はまだ不明だが、落雷の熱が直接燃えやすいものを引火させる場合や、落雷による「雷サージ」と呼ばれる強い電流が流れる現象が原因になる場合などがある。雷サージが起きると、強い電流がテレビアンテナや電気配線などを伝い、その先の電化製品やブレーカーから火花を飛び散らせ、周囲に引火させる。
 雷雲の放電現象を研究する近畿大の森本健志教授(43)は「雷サージではアースなどの電気の行き場がないと、火花を噴く場合がある」と指摘する。
 避雷針は、高さ二十メートル以上の建築物に設置することが建築基準法で義務付けられているが、民家は任意なのが現状。森本教授は雷サージ対策に、異常に強い電流が流れると自動的に遮断する「避雷器」付きのブレーカーの導入や、雷が近づいたらコンセントから電源プラグを抜くことを挙げる。大きな電圧がかかると電流を遮断する「雷ガード」機能付き電源タップの活用も薦める。
 森本教授は「電気配線が焦げるだけの弱い雷サージでも、周囲に可燃物があれば火災になり得る。雷対策の用品を付けているからと安心しないで」と話す。
 最悪の火災発生を想定し、火災報知機が有効だ。総務省消防庁によると、設置が義務付けられている住宅用火災報知機の普及率は、一九年六月時点で82%。逃げ遅れないために、設置や作動するかの点検が欠かせない。
https://www.chunichi.co.jp/article/154066

都道府県でいうと、「雷日数」の上位5県は何れも日本海側なのだった。石川県、福井県新潟県富山県秋田県*2。石川県を初めとする日本海側では冬に雷が多い*3。金沢の方言では、「初冬の雷」を「鰤起こし」という*4
こうしたことを知ったのは、Eテレの『サイエンスZERO*5「超巨大雷スーパーボルト!謎の“対消滅”を追え」を視たからだった*6。北陸上空では核爆発に匹敵する巨大な雷(スーパーボルト)が起こることがあり、理化学研究所の榎戸輝揚氏らの研究によれば、スーパーボルトにおいて、物質/反物質対消滅が観察されるという。雷の放電によって空気中の窒素原子の陽子が吹き飛んで炭素になり、飛び出した陽子が空気中の電子と接触して対消滅し、ガンマ線が放射される。日本海側の原発では以前から事故も起きていないのに放射線量が急上昇するということが報告されていた。
物質/反物質対消滅というのはビッグ・バン*7とか超新星爆発*8といった天文物理学的準位の問題だと思っていた。こんな身近に観察できていいのか? と思った。