この問題は10年前にも話題になっていました;
白クマ
あくまで個人の感想というか事情になって恐縮ですが、京都市内、特に洛中と言われるようなところは、「〇〇町」という表示では何処の事か全然わからないですね。
それはやはり京都は「〇〇通△△下ル」という言い方が定着しているからなんでしょうね。
中心部は同じように格子状になっている大阪市では、そのような言い方はほどんどしませんし。(まぁ大阪は通りと言うのは東西方向だけで、南北方向は「筋」になりますから)
https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/03/20/111841
そのときも書きましたが、京都方式の方が寧ろグローバル・スタンダードに近いですよね。世界の殆どの都市で住居表示は道路の名前+番地なんじゃないでしょうか。京都に来る外国人観光客にとっては却って馴染みやすいのでは? 上海に住んでいたときは、他k樹脂―で何処かに行く場合、目標が位置する通りの名前と近くでクロスする別の通りの名前を言えば済みました。例えば、自宅は「天鑰橋路」にあったので、タクシーで家に帰る場合は、 天鑰橋路・南丹東路或いは 天鑰橋路・辛耕路といった具合。
京の通り名不要!?ネットで地図検索できず
「上(あが)る」「下(さが)る」「東入(い)る」「西入る」と、通り名を起点に場所を示す京都市中心部の住居表示が、岐路に立たされている。京都独自の伝統的な表記だが、標準化の進むインターネットやカーナビゲーションの大半は通り名が不要なものとみなされ、入力しても地図検索ができない状態。ネット広告や名刺からも通り名を抜く表記が増え、平安時代以来続く地名表記に親しんできた市民には「通り名がないと、場所がどこかわからない」と戸惑いが広がる。
「京都の不思議」の著書がある作家黒田正子さんは最近、ネットで化粧品を買おうと、京都市内の自分の会社の所在地を入力すると、受け付けてもらえず驚いた。
京都市内は通り名だけでもほとんどの郵便物が届く特有の地域。黒田さんはいつものように「中京区高倉通夷川上る」と入力したが、店から宅配業者へ手配するコンピューターシステムが対応しておらず、町名と番地を改めて入力したという。黒田さんは「標準化によって、京文化ともいえる通り名や『上る、下る』が消えてしまうような気がする」と危惧(きぐ)する。
元々、「上る、下る(上ル、下ル)」といった京都市中心部の住居表示は独特だ。例えば市役所の所在地は登記簿などで「中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地」とあり、通り名と町名、番地を長々と併記するのが正式な表示となっている。
だが、ネットの地図検索でこれを入力すると、「見つかりません」か、周辺の町名や店の情報が表示されるだけで地図が出てこない。市役所の地図を探すには「中京区上本能寺前町488番地」と入力しなければならず、通り名は無用というわけだ。
ネットに地図情報を提供する大手「ゼンリン」によると、検索システムに町名と番地を基にした全国標準の住居表示を採用していることが理由。京都独自の通り名などはエリアが特定できないため、担当者は「ピンポイントで示すのは難しい」と話す。
こうした現状に戸惑うのは、多くの京都市民。市民の地理感覚では市役所なら「寺町通御池上る」だけで十分で、通り名こそが重要な情報だ。そもそも、町名が必要だと言われても、町の数(中京区だけで498町)や同名の町(市内9か所にある桝屋町など)が多くて覚えられないという事情もある。
一部には、通り名に対応した地図検索ソフトも開発されているが、まだ普及していない。カーナビも通り名は受け付けず、郵便番号から住所を探すソフトの中にも通り名抜きで表示されるものがある。
不動産の物件情報を集めたサイトに、通り名を省いて掲載した市内の不動産業者は「町名と番地さえあればネットで地図を呼び出せる。通り名を併記すると、地図は出てこないし、長くなりすぎる」と語る。
京都国立博物館もチラシは通り名の「東山七条」だが、館員の名刺は「東山区茶屋町527番」。ネットが普及して以降、同様の動きは市内の事業所や店舗にも広がっているという。
京都で約800年続く歌道の冷泉家当主夫人の冷泉貴実子さん(62)は「我が家の現住所を今出川通烏丸東入ると言うと、京都の人はぱっと景色が浮かびますが、町名の玄武町ではタクシー運転手にも通じません。ネットでは町名が便利なのでしょうが、そればかりになると住む人も困ります。通り名を大事にしてほしいですね」と話している。
(2010年7月20日14時52分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100720-OYT1T00643.htm*1