「老害」ではない!

承前*1

地震*2のために中断されたETV特集の「夫婦別姓 ”結婚”できない ふたりの取材日記」だけど、再放送は結局見逃してしまった。。そしたら、亀井静香*3が登場して、ほぼ炎上の騒ぎになっている!
朝日新聞』の記事;


別姓願う夫婦に「付き合ってられない」 亀井静香
2/18(木) 19:26配信


朝日新聞デジタル


 18日に放送されたNHKのドキュメンタリー番組「夫婦別姓 “結婚”できないふたりの取材日記」(ETV特集)で、選択的夫婦別姓の実現を願う夫妻のインタビューに応じた亀井静香・元金融相(84)が、「国家の恩恵を受けたいなら、ルールに妥協しないと」「夫婦が『姓が一緒だ、別だ』と言うこともない。みんな天皇の子だから一緒」などと発言する様子が放映された。視聴した人からは「悔しい」「価値観の押し付けが可視化された」といった投稿がソーシャルメディアに相次いだ。番組は22日午前0時45分から、NHKEテレで再放送される。

 番組は、法律婚を選ばず夫婦別姓での「事実婚」を選んだ映像制作に携わる男性(40)と妻(27)が、自分たちの2年半にわたる取材や葛藤の記録をまとめたセルフドキュメンタリー。

 2018年に夫がプロポーズしたところ、妻が「結婚はしたいけど、夫の姓にはなりたくない」と求めたという説明から番組は始まる。妻は「自身の名字で生きてきたので、夫の姓にしてアイデンティティーを失いたくない」と訴えたという。

 夫が妻の姓に変えることも検討したが、夫の両親に猛反対された。夫妻は、家族法の専門家や別姓を選んだ家族のもとを訪れ、話を聞く。選択的夫婦別姓制度に賛同する与野党の国会議員とのやりとりや、自民党本部で開かれた勉強会に2人が当事者として招かれた様子も収録されている。自宅で夫が「子どもが嫌な思いをするかも」と悩みを吐露すると、妻が「なんだかんだ多数派にいないと不安なんだ」と応じる場面もある。

 夫妻は取材を続けるなかで、国会議員在職中から選択的夫婦別姓に反対してきた亀井氏のもとを訪れる。

 夫妻と対面した亀井氏は「事実婚夫婦。ややこしいんだね、あんたたち」「愛し合っているなら姓が一緒じゃないと困るんじゃないの」と逆に問いかける。

 妻が「なぜ夫婦同姓じゃないと結婚が認められないのか」と返すと、亀井氏は「国家の都合。ひとりのわがままに合わせていたら国家は困っちゃうんじゃないかなあ。1億人以上いるから付き合ってられない」と答えた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9df44382bb578d1f22fc9842848ecd853dccc0e6

とんでもない発言であることは言うまでもない。これに対して、「老害」云々という言説も流通している。しかし、森喜朗が「老害」ではないように*4亀井静香は決して「老害」ではないということは言っておきたい。上掲の記事でも「国会議員在職中から選択的夫婦別姓に反対してきた」と形容されているように、亀井のスタンスは若い頃から一貫している。Political Compass*5で言うと、富の再分配を肯定するかどうかという左翼/右翼の軸では左翼寄り、ライフ・スタイルの多様性を肯定するかどうかというリベラル/権威主義の軸ではぐっと権威主義寄りということで、遅くとも1980年代以降はかなり一貫しているわけだ。つまり、年を取ったからああなったというわけではない。
共同体主義」なの? マイケル・サンデル先生の意見を聞きたいな。チャールズ・テイラーでもいいけど。