「宇宙人」の由来は?

東海テレビの報道;


「宇宙人に襲われた」保護求め警察署を訪れた38歳男… 覚せい剤を使用した疑いで逮捕 愛知・一宮市
東海テレビ
国内
2021年2月16日 火曜 午前1:54


「宇宙人に襲われたので保護してほしい」と愛知県警一宮署を訪れた38歳の男が、覚せい剤を使用した疑いで逮捕されました。

15日午後5時45分ごろ、愛知県警一宮署に男が訪れ、「宇宙人に襲われたので、保護してほしい」と警察官に訴えました。

不審に思った警察官は、男に尿の提出を求め、検査したところ、覚せい剤の反応が出たため、覚醒剤取締法違反の疑いで緊急逮捕しました。

男は、無職の有本光孝容疑者(38)で、調べに対し、「あってます」などと容疑を認めています。

警察は、覚せい剤の入手ルートなどを調べる方針です。
https://www.fnn.jp/articles/-/144615

愛知県警は「宇宙人」は存在しないという前提で業務を行っているわけだ。だから、「宇宙人に襲われた」という訴えに対しては、「宇宙人」はどんな恰好をしていたのか? 等々の質問はせずに、「尿の提出を求め」た。多分、警察には、かくかくしかじかの言動の場合は覚醒剤の使用を疑い、「尿の提出を求め」るというマニュアルみたいのがあるのだろう。
私としては、「覚せい剤の入手ルート」などよりも、「宇宙人」というイメージの起源について知りたい。覚醒剤の薬理作用には「宇宙人」というイメージを作り出す力はないだろう。「宇宙人」の起源はやはりこの「38歳の男」のライフ・ヒストリーに求めるしかないだろう。
ところで、池内了氏は、米国では「UFOに誘拐されたと自称する人」が多いのに対して、日本では殆どいないことを指摘している(『疑似科学入門』、p.16)*1。これに従えば、この「38歳の男」は日本人としては例外的ということになるだろう。そうであるなら、警察は男の身柄を民俗学者に引き渡すべきだ。
疑似科学入門 (岩波新書)

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  • 作者:池内 了
  • 発売日: 2008/04/22
  • メディア: 新書