交付せず  

承前*1

NHKの報道;


愛知 国際芸術祭への補助金 不交付の方針 文化庁
2019年9月26日 2時38分


慰安婦を象徴する少女像などの展示をめぐって脅迫めいた電話などが相次ぎ一部の展示が中止された愛知県の国際芸術祭について、文化庁は、事前の申請内容が不十分だったとして、予定していたおよそ7800万円の補助金を交付しない方針を固めたことが、関係者への取材で分かりました。

愛知県で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」のうち「表現の不自由」をテーマにした企画展は、慰安婦を象徴する少女像などをめぐって脅迫めいた電話などが相次ぎ、先月、開幕から3日で中止されました。

「あいちトリエンナーレ」について、文化庁は、ことし4月、観光資源としての文化の活用推進を目的とした国の補助事業として採択し、およそ7800万円を交付する予定でした。

しかし一連の事態を受けて改めて検討を行い、愛知県からの申請は、少女像などの具体的な展示内容の説明がなく不十分だったとして、補助金を交付しない方針を固めたことが、関係者への取材で分かりました。

この補助金について菅官房長官は先月2日の会見で「審査の時点では、具体的な展示内容の記載はなかったことから、補助金の交付決定では事実関係を確認、精査した上で適切に対応していきたい」と述べていて、文化庁の判断が注目されていました。
「あいちトリエンナーレ」に対する補助金の取り扱いについて、文化庁は、審査の結果「申請者である愛知県は、開催にあたり、来場者を含め、展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず、事実を申告することなく、文化庁から問い合わせを受けるまで事実を申告しなかった」と指摘しています。

そして「審査の視点で重要な点である、実現可能な内容になっているか、事業の継続が見込まれるかの2点で、適正な審査を行うことができなかった」としています。

そのうえで「補助事業の申請手続きにおいて不適当な行為であったと評価した」として、補助金適正化法に基づき、全額不交付とする方針を固めました。

こうした方針について、文化庁は「文化資源活用推進事業」では、申請された事業は、全体として審査するもので「あいちトリエンナーレ」は、申請金額も事業全体として不可分一体な申請がなされているとして、総合的に判断したとしています。


表現の自由”めぐって議論
愛知県の国際芸術祭、「あいちトリエンナーレ」のうち「表現の不自由」をテーマにした企画展をめぐっては、主催者側を脅迫するファックスや脅迫めいた電話のほか、あわせて770通の脅迫メールが届きました。

また、政治家の発言が相次ぎ、憲法が保障する表現の自由をめぐって議論が起きました。

このうち名古屋市の河村市長は、先月2日、会場を訪れたあと記者団に対し「どう考えても日本国民の心を踏みにじるものだ。税金を使ってやるべきものではない」と述べ、この企画展の中止を求めました。

この発言について、愛知県の大村知事は先月5日の会見で「憲法違反の疑いが濃厚だ。公権力が『この内容はよくてこれはダメだ』と言うのは、検閲ととられても仕方ない」と批判しました。

また、河村市長の発言のほか、菅官房長官が先月2日の会見で芸術際への国の補助金について、事実関係を精査し、交付するかどうか慎重に検討する考えを示したことについて、日本ペンクラブが声明で「行政の要人によるこうした発言は政治的圧力そのものであり、憲法が禁じている『検閲』にもつながるものである」と指摘するなど議論を呼んでいます。

官房長官は先月5日の会見で、補助金をめぐるみずからの発言が主催者側の判断に影響を与えたと考えるか問われたのに対し「まったくない。国民の大事な税金を交付するので、事実関係を確認した上で適切に対応すると答弁しただけで、記者の質問に対して申し上げただけだ」と述べました。

そのうえで「暴力や脅迫はあってはならない。刑事事件として取り上げるべきものがあれば、捜査機関で適切に対応する」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190926/k10012099321000.html

危惧していたように、「たんなる美術史に止まらない、政治史或いは国家史にも及ぶ日本史上の転換点」になってしまいそうだ。また、これは〈セカンド・レイプ〉に等しい。