白くて黒

『ハフィントン・ポスト』(『朝日新聞』)の記事;


2019年03月01日 11時09分 JST
下着は白色無地、毛髪は登録制…「ブラック校則」に警鐘、教員の精神的疲弊も懸念
文部科学省は、校則は「児童生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長発達していくための一定のきまり」と定義。
朝日新聞デジタル


下着は白色無地・毛髪は登録制…「ブラック校則」に警鐘

 生徒の生活や身だしなみについて定める「校則」。市民団体「子どもの人権ネットワーク・岐阜」(河合良房弁護士)は今年度、岐阜県内の校則の実態を調べた。県への情報公開請求で、県立高校の多くに人権への配慮を欠く「ブラック校則」*1が含まれていたことがわかり、警鐘を鳴らしている。

 対象としたのは、県立高校の全63校。身だしなみに関する校則では、20校が生徒の髪色や髪質が生まれつきのものか調べるため「毛髪登録申請書」を提出させるなど確認を求めていた。


 制服の下に着る下着の色は、10校が男子は「白色無地」などと規定。8校が女子は「柄物禁止」「白色でワンポイントまで」などとしていた。女子の制服について、スカートではなくスラックスを通年認めているのは14校にとどまった。

 文部科学省は、校則は「児童生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長発達していくための一定のきまり」と定義。「児童生徒の実態、保護者の考え方、地域の実情などを踏まえ、より適切なものとなるよう引き続き配慮すること」としている。

 河合弁護士は服装や活動を必要以上に制限する校則が「ブラック校則」に当てはまると指摘。「憲法子どもの権利条約教育基本法に違反する」と主張する。また、過度な校則により、「教師が生徒指導に振り回されている」と話し、教員の過重労働や精神的疲弊につながることも懸念する。

朝日新聞デジタル 2019年03月01日 07時24分)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/school-rule_jp_5c788d42e4b033abd14a4dba

以前上野千鶴子さんが『スカートの下の劇場』の中で、主婦は家族の下着を管理することによって家族の性を管理していると論じていたのだが*2、高校は母親代わりを目指しているわけだ。「ブラック校則」問題に関して、生徒或いは保護者がどう感じているのかということが重要だろう。この「ブラック校則」が問題となったなったのはマイノリティによる異議申し立てを契機としてのことである*3。これは善意の傍観者の共感を獲得したり、熱湯浴によるバッシングを呼んだりしたのだけど、これらの何れでもないけれどやはり「ブラック校則」の身近な当事者である筈のマジョリティの生徒や保護者の声は(少なくとも私のような鈍感な者の耳には)聞こえてこない。「ブラック校則」が生き延びているのは特に保護者の(少なくとも)消極的な支持があるからではないかと思ったのだけど、その証拠を見出しているわけでもない。
スカートの下の劇場 (河出文庫)

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