「6人に1人」より重要なこと

伊吹早織*1「6人に1人が中学で「下着の色」を決められていた。“ブラック校則"実態調査でわかった9つのこと」https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/black-kousoku-chosa1


大阪府立懐風館高校の「女子生徒が、髪が生まれつき茶色であるにも関わらず、学校から黒染めを強要され、身体的・精神的苦痛を受けたと主張して起こした訴訟」*2を契機に始まったBuzzFeedの「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」*3。その一環としてのアンケート調査について。記事のタイトルのインパクトが強いようだけど、実のところ、この「6人に1人」という数字は、これはひどい! 或いは、思っていたよりひどくなかったという以上の意味はないように思えた。重要なのは、「校則」の「下着」への介入が何時頃起こったのかということだろう。昭和なのか平成なのか。20世紀なのか21世紀なのか。勿論、記事では、そこら辺手抜かりはないようだ。曰く、


10代の回答者のうち、16%が中学時代に校則で「下着の色が決められていた」と答えた。20代では5%、30代では2%であることから、現代の学校の方がより厳しく規定されていると言える。
つまり、野蛮な昭和や20世紀の風習ではなく、寧ろ21世紀的であるといえる。黒髪の強制についても、似たようなトレンドが読み取れるようだ;

生まれつき茶髪の人に着目すると、高校時代に20%、中学時代に10%の人が黒染めするよう学校から指導された経験があると答えた。

また年代別に見ると、黒染め指導を経験した人の割合は10代で最も高くなっている。染髪剤がドラッグストアなどで気軽に手に入るようになったことから、黒染め指導に対する教員の意識が変化したと考えられる。

ところで、「いじめ」と「校則」との関係も注目される;

学校にブラック校則がなかったと答えた回答者と、あったと答えた回答者を比較すると、校則がなかった回答者の方が、いじめ被害に遭った割合も低くなることがわかった。

同様に、ブラック校則がなかった回答者の方が、いじめ加害をした人の割合も低かった。

校則以外の要因も影響するため、「ブラック校則のせいでいじめが増える」とは言い切れないが、厳しい校則が生徒たちのストレッサーとなり、いじめで発散されているという仮説も考えられる。