「時間の浪費」を愉しむ機械、或いは昭和の御仏壇

sho iki＠一度閉館した地方映画館スタッフ「うちにはテレビなんてなくていい。」https://note.mu/sho_iki/n/n981c99228fd7

「テレビない生活」を9年間続けているのだという。
「テレビは必要ない」理由；

なんとなくでずーっと見ちゃうから
時間の浪費が過ぎる。
バラエティとか
なんのインプットもない。
それがいいのかもしれないが、
それだけで自由な時間が過ぎていくことは
無駄以外のなんでもない。
さらに視聴者側が選択できるのは、
「チャンネル」と「見るか見ないか」だけ。
ニュースなどにしても、
一方的に押し付けられる情報は
見返すこともない（できない）ので、
インプットの整理が出来ない。

「テレビがないことのメリット」；

・“なんとなく”な時間が減った
・暗いニュースをみて気分が落ち込むことが少なくなった
・深夜番組を見るための極度の夜更かしがなくなった
・思考を停止してしまっていたことに気付いた
・テレビを買うお金が浮く
・テレビを使う電気代が浮く

TVとはそもそも「時間の浪費」を愉しむための機械だという反論もあるだろう。
ところで、寺山修司 *1が何処かで、戦前の家族のお茶の間の中心には仏壇があって、つまりご先祖様によって家族が統合されれていたが、戦後の家族では仏壇の位置にTVが居座った。要するに、TVというのは昭和の御仏壇だったわけだ。しかし、その御仏壇も各部屋へと拡散していく。PCやガラケーやスマートフォンで視聴するなら、それは家族的経験ではなく個人的経験になる。TVの運命はかつての玄関の守護神だった黒電話の運命に似ているような気もする*2。

*2:See https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/01/25/111529